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        2008-03-23        ラピュタアニメーションフェスティバル2008(三日目)

西日本のみなさん、武豊に行きましたか?
どうでしたか?

ラピュタフェスは三日目です。

○11:00-
すいません、寝坊しました……

○13:00- ロシア作品集
 作家のメンツをみて、結構期待が高かったのがこのプログラムでした。
 まず最初に残念なお知らせが……このブログでも「注目!」と何度も言っていたKonstantin Bronzit"Lavatory-Lovestory"は、作家の都合により上映中止……
 ちょっとテンションが下がったところで上映開始です。
 "Three Love Stories"(Svetlana Filippova)。昨日のコンペでこの前作の"Sarah's Tale"が上映されましたね。あの作品もこの作品も、語ろうと思えばたくさん言葉が出てきます。形式的に特徴がありますからね。やっていることもいろいろと興味深いです。でもいまいち作品自体として面白くないのはなんででしょう?"Three Love Stories"は、10-30年代のロシアのサイレント映画を随所に挿入しながら、詩人が愛を探し失い求めていくというお話。これもまたヒントンを思わせるような大胆なサイズの改変とシンプルな描線。でも結局のところ線で本質を捉える力がないのではないか、と思わざるを得ません。「ドラマティック」「ロマンティック」とはじめから張り紙が貼ってあるような作品です。外からなぞるような作品は、あんまり好きじゃないです。でも言葉はたくさん出てくるんだよなあ……マキシーモフ作品[一部視聴可]と大違いです。
 "Milch"(Igor Kovalyov)はAnimationsに訪れてくれている人ならば、もはやご存知の名作。レビューもみてみてください。やはり何度観てもすごいです。言葉になりません。陳腐な言い回しですが、感じてください。
 "Oskus-Ool, Fisherman"(Alexei Demin)は「宝の山」シリーズ。"milch"のあとではどうしても緩く思えてしまうのですが、なかなかの作品でした。トゥバの民話をベースにした作品で、民話らしいダイナミックな展開が魅力的。しかしラスト近辺のハッピーエンドに向かっていく描写が非常に日常的で民話的でなくてどきっとします。恋人たちはばちっとべったりと抱き合い、茂みにふさっと倒れ込みます。その描写がもつ力感が見事です。そこにお世話になった牛さんや狼さんも入り込んで笑い声が響く。日常と民話が融合しあう親密で美しい瞬間。
 "Boy"(Dmitry Geller)。前作"Declaration of Love"は前回の広島で上映されましたね。電子紙芝居です。馬が放浪します。僕が考えるアニメーションの快感とはほど遠い作品でした。
 "Mother and Music"(Julia Aronova)。前作"A Beetle, A Boat, An Apricot"[一部視聴可]は、前回の広島でパノラマ上映されていて、人知れず僕の心を打っていました。典型的なノルシュテイン・チルドレンなのですが、この人は、少年たちの夏休みをモチーフにして、ノルシュテインが禁じてきた飛翔を描いたのです。(ネットで視聴できる部分だけだと、『霧のなかのハリネズミ』同様に、舞い上がっていくものを見つめるだけなのですが、後半に飛翔するのです。)解放感。なのでかなり期待していました。率直に感想を述べると、肩すかしでした。ノルシュテインの単なる縮小再生産になっていた気がしました。デジタル処理を取り入れていたのですが、その使い方が圧倒的に間違っていました。でも、ロシアの詩人マリーナ・ツヴェターエヴァの自伝をもとにして制作されているこの作品、後半にある演奏会のシーンが本当に素晴らしかったです。だからきっと良い作家なのだと思います。今後に期待です。

○15:00- 日本立体アニメーションの系譜
 今日の当たりは 真賀里文子さんセレクションのこのプログラム。かなり楽しみました。
 『猿蟹合戦』(村田安司)。いきなり立体アニメーションではないですが、気にしない。みなさんお馴染みのさるかに合戦のアニメーション化ですが、かなり笑えました。動きや絵自体の味わい深さ……物語のプロットを追うだけではとても浮かんでこない視覚的ギャグの数々。限定された二次元空間での限定された手法だからこそ成立する絶妙のバランス。巧みで卓越。
 『さるくん かにくん』(上野耕三)は「さるかに」上映パート2。これは立体アニメーションです。「おさるのしっぽはなぜ短いか」というお話のアニメーション化。先ほどの『猿蟹合戦』では、栗の胴体がちょんぎれてまたすぐに戻るというギャグがあったのですが、立体になった瞬間、それと同様のギャグは痛みを伴ったものとなります。カニによって尻尾をはさみきられた猿は、「痛いよう」「痛いよう」と言いながら、泣いて去っていきます。もはや切れた肉体は元通りにならない。人形アニメーションでグロテスク描写が映える理由を垣間見ることができた気がします。
 『日本むかしばなし さるかに』(岡本忠成)。さすが岡本さんです。これはすごかった。さるかにがこんなに残酷でこんなにかっこ良い話だったなんて。ラワンで作られた独特の質感をもったキャラクターたち。カニがしっかりカニしていて、ときおりびっくりします。さらに驚くのが、悪の猿が投げる柿の直撃を受けたカニが、即死すること。断末魔さえあげずに。べしゃりとリアルに甲羅を潰されて。あの破壊力はすごいです。その後雷が鳴るなか、二匹の子どもカニがその死骸から誕生。どんなホラーかと思いました。恐ろしいほどの構図力、演出力。猿への復讐の場面……バーホーベン並みの暴力描写でした。猿もまた臼に潰され、一撃即死。二人の死の運命的な呼応が、びっくりするようなかっこよさで描かれていました。沈黙ただようなか、カニたちは夕日に向かって立ち尽くす。さるかになのになんて格好のよいことか……職人芸が活きるのは、演出の統率力あってこそ。

 その後、紙フィルムを16mmにうつした貴重な映像を何本が拝見しつつ、『ペンギンぼうや ルルとキキ』『ちびくろさんぼ とらたいじ』といった持永只仁作品を観て、このプログラムは終了。

○17:00- ノルシュテイン、『イワン雷帝』を語る
僕このワークショップ参加してたんですけど、またみちゃいました。ものすごくたくさん発見しました。その成果は今後のこのホームページやら僕の研究やらに反映されていくのだと思います。なのでそちらをネ!あまりにたくさんメモしすぎてまとめられません。

○19:00- コンペティション2
 正直今回は不発だったかな、というのが正直なところ。
 "Lupe & Bruno"(Marc Riba& Anna Solanas)は昨日の不快No.1"Violeta"の作者のもの。あれに比べればこっちはまだ普通ですが、やはりちょっといただけない脱線が見受けられたような。どううつもりで作品を作っているのでしょう。作品にそこそこ力があるだけに、ちょっと嫌です。でも男の子のもじもじ感の描写はとても良かった。
 『雲の人 雨の人』(上甲トモヨシ)はcjaxやICAFやアニメーション80のときにコメントしたような気がします。丁寧ですし口だけでいろいろな感情を十分に伝えきる技量も素晴らしいと思います。でもやはりちょっともどかしいところもあって、水や雲の感触はもっと増幅してきちんと描くことができたのではないかということやたまに物理法則を間違っていることがある気がするんです。別に物理法則に従えっていうわけじゃないですよ。アニメーションですし。でもその変わりの一貫性というのはやはり必要だと思うんです。
 "Black Box"(Jurgis Krasons)はちょっと気になりました。どういう意味で気になったのかは、まだよくわかっていないのでパス。
 "OOIOO"(後藤章治)はメディア芸術祭オタワのエントリで書きました。
 "The Substance of Earth"(Jinman Kim)はちょっと無理矢理すぎないか?
 "The White Wolf"(Pierre-Luc Granjon)もメディア芸術祭のどこかのエントリで書いた気がしました。ひどいダイジェスト感で、こういうリズムっていうのはパロディのものなのではないのかと思うんです。でもこの作品はシリアス。その差に問題があるのではないかと思いました。『ゲド戦記』にも同様のことを感じましたそういえば。
 "Aston's Stones"(Uzi & Lotta Geffenblad)は掘り出し物。電子紙芝居のこの作品ですが、物語がすごくいいんのでこれでいいです。
 『スイミング』(平山志保)もなかなかのもの。水泳テストに挑む小太りの男子。その水のなかの様子。たまに外。水のなかにいることの静けさと孤独、逆転して自分だけの世界化。きっちり描いています。おそるおそる壁にタッチする感触も、息継ぎするときに夏の喧噪が耳に飛び込んでいく様子も、きちんと描いています。欲を言えば、まるで本当に水のなかにいるように、キャラクターを動かすんでなくカメラをぐいぐい動かし、観客全体を水のなかに放り込んでほしかったです。もっともっと孤独感を、全能感を感じるほどの孤独感を。でもとても良かったです。
 『THE CLOCKWORK CITY』(加藤隆)はICAFで書きました。二回目みても、基本的な印象は変わりません。この作品だけのことを言うわけではないですが、世界について語ることと、世界について語られたことについて語ることの差というのはきちんと意識しなければならないのではないでしょうか。一体何を批判的にながめているのか、その相手は本当に存在するのか?

 明日は最終日、グランプリは誰の手に?

土居

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