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        2007-12-07        「世界映画人会議II 世界の若手アニメーターの現状~カナダ、ドイツ、フランス、そして日本~」(1)NFB

このイベント、10/25に開催されたので、かなり遅いレポートです。
しかし、特に作家のみなさんにとってかなり有益な情報が聞けたと思われるので、簡単にシンポジウムの内容をまとめておきます。

このシンポジウムが対象とするのは、世界の独立系のアニメーション作家たちが今、どのような状況下で制作を行っているのかということです。
言わずと知れたカナダのNFBのプロデューサー、マイケル・フクシマさん。
フランスのフォリマージュからスタジオ設立者の一人のパスカル・ルノートルさん。
ドイツのスタジオ・ゾイの設立者でありフィルムアカデミーのアニメーション・インスティテュートで教鞭をとってもいるザシュカ・ウンセルドさん。
そして日本を代表する作家の一人であり、日本工芸大学の教授としてICAFの実行委員長を務める古川タクさん。
若手作家たちの活動と関わりの深いこれらのパネリストたちが、それぞれの国の現状を報告してくれました。

最初の報告はNFBのマイケル・フクシマさん。
まずはNFBがどういう組織であるかという簡単な説明から。
NFBはカナダ連邦政府が1939年に設立、アニメーション部門はノーマン・マクラレンの招聘に伴い1941年から。それ以来、短篇アニメーションを語る上で最重要とも言っていい位置を常に占めつづけています。設立の目的は作家主義的なアニメーション作品の制作支援であり、営利目的ではない文化事業として考えられてきています。

フクシマさんが何度も強調するのは、NFBは単なる資金提供者ではなく、あくまでプロデュースをする役割を担っているということ。学校ではなく、制作スタジオであるということ。

そして、国営の組織であるので、第一の目的はカナダの作家の支援であるということ。
その次に、アニメーションの国際的コミュニティの育成があるということ。
ここらへんの優先順位は、実際のNFBの方向性にも反映されています。
NFBといえば、カナダに限らない様々な国の作家とのコラボレーションでも知られていますが、その相手として選ばれるのは、成功の可能性の高いベテラン作家に限られているとのこと。
それに対し、国内の作家相手では、ベテラン作家はもちろんのこと、経験の劣る若手作家たちとも積極的にコラボレートし、作家の育成も行っています。
その一貫として特徴的なプログラムが、「Hothouse」とよばれるものです。
日本語に訳せば「温室」です。まさに若い作家をぬくぬくと育てるためのプログラム。
2001年以来行われているHothouseは、国内の若手から参加希望者を募り、そのうちの6人を選んでモントリオールへ呼び寄せます。
そして、12週間という限定された期間のうちに、ストーリーボード制作から上映までのプロセスを一挙に体験させます。
作品の尺は30秒から90秒。かなり短いです。
経験の少ない若手がいきなり長いものを作ると失敗しがちであるということをふまえて考えられているとのこと。
ただし、このプログラムは、失敗が許されています。いろいろなプロセスを体験させ、失敗させることを目的としていると言ってもいいのかもしれない。あくまで将来のためのプロジェクトなのです。
いままでのところ、参加者の65%が、再びNFBと組めるような作家となっているという、大変に成功率の高いプログラムとなってます。

若手支援ということでいえば、例えばグリーンピースやUNESCOなどの短い映像広告を若手に任せるということも頻繁に行われています。まずは短いものから、というポリシーが貫徹されているわけです。

また、民間財団との共同制作も最近は進んでいます。例えば、今回の東京国際映画祭で併映されたcjaxですが、カナダ側の作品はBravo! Factという民間財団(国内最大)とNFBとが共同制作したものから選ばれています。
カナダでは、芸術振興協議会という公的な資金援助を行う団体もあれば、民間財団もいくつかあります。また、民間のスタジオでも、優秀なスタッフに自主制作を行わせるところもあり、かなり恵まれた環境にあるといえるでしょう。

NFBの話に戻ります。
個人作家にとって、大変な作業の一つが、完成した作品の配給です。
NFBは、国際的な配給ネットワークを持っています。家庭用・施設用のDVD、テレビやネット上での配信、そして映画祭。配給のあらゆる可能性を駆使します。なかでも、短篇にとって大事なのは映画祭です。NFBは、世界各地の映画祭をランク付けし、効率的なエントリーを行ってくれます。(Aランクの映画祭が200~300、Bランクの映画祭が400-500くらいあるそうです。)いまや、作家個人ではとても対応しきれないほどの映画祭があるわけですが、NFBは戦略を立てながら、そういった作業をすべて引き受けてくれるわけです。
もう一つ特筆すべきは、35mmフィルムで作るということ。短篇アニメーションにとっても、アカデミー賞は重要な宣伝場所です。そこにエントリーされるためには、35mmで制作されないといけない。フィルムにするにはたいへんなお金がかかりますが、その問題も、NFBと組むことによって解決されるわけです。

……とまあ、日本の現状を目の当たりにしている人たちにとっては、カナダというのは夢の国なのだろうかとも思ってしまうような内容が紹介されたわけです。

長くなりそうなので、今日はここらへんでやめときます。
次回はフランスのフォリマージュ、特にアーティスト・イン・レジデンスについての話が中心となります。

土居

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世界映画人会議II

文化庁世界映画人会議II
「世界の若手アニメーターの現状~カナダ、ドイツ、フランス、そして日本~」
日本の若手が、なぜアカデミー賞にノミネートされないか!?その原因を探る
のモデレータをした、オフィスHの伊藤です。
カナダNFB、フランスFolimage、ドイツバーデン・ヴュルテンベルク州立フィルムアカデミーにご興味ある方は、当日配布資料を弊オフィスサイトに発布しています。どうぞご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/officeh_notebook/archives/2007-11.html

伊藤さん、補足の情報をどうもありがとうございます。とてもためになる会合でした。
来年以降のcjaxも楽しみにしております。

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