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        2007-10-29        日加ショートアニメーション・エクスチェンジ Program1@tiff (10/26)

作品の印象の列挙だけになっています。総評などはProgram2についてのエントリのときにまとめて。

"I Met the Walrus"(Josh Raskin)はちょうど同じプログラムにあった"おはなしの花"と同じタイプの作品。14歳の少年が40年前にジョン・レノンに突撃インタビューした内容を映像化。少年はマネキンのようにカタカタとしゃべるだけだがジョンの語る言葉にはもとから花が咲いていて、それを逐語的にアニメーションにしていったもの。もちろん、どういう映像を選ぶかは作家に任されているわけで、逐語的に感じるということはチョイスが間違っていないということ。インタビュアーは14歳らしくジョージ・ハリスンの名前がすぐに思い出せなかったり、ジョージが好きじゃないと言ってみたり微笑ましい。ビートルズ・ファンにはぜひおすすめしたい作品。最後の花の揺らぎはマッケイの『恐竜ガーティ』を思い出させもする。アニミズム的でもあり東洋的でもあり、狙ったのか狙ってないのかわからないがとても良いシーンとなっている。ホームページで予告編をみれます。(上映でみたやつより高画質な気がする……。)"The Interior Monologue of the Gill the Goldfish"(Jim Goodall)は3DCG+実写。金魚が悪態を尽きまくるお話。こういう音楽のセンス。こういうジョークのセンス。かわいいものがやたらと汚い言葉を吐くというギャップやかわいいものが肉欲にまみれているというギャップで笑わせようとするセンス。べったりとアメリカの同時代の空気が染み付いている。たぶんこういうのはユーモアのセンスがあるとは言わないと思う。なんとなくで笑わせようとする作品。最後、無理矢理すぎないか。"Aboriginality"(Dominique Keller)も何とも言いがたい作品。プロフィールをみたところ、監督はドキュメンタリーの実写出身のようだけれども。アニメーションは初めてかしらね。よさこいダンスを思い出した。お金の援助を受けやすそうな作品であることは確かだが、こういった作品が作品として優れている例はほとんどない。作品がうまくいっていないと、そこに込められたメッセージ性も陳腐なものに思えてしまう。結局誰にとっても得にならないのでは。"The Three Wishes"(Sheldon Cohen)はベテラン作家の作品。「ほんとにこれでいいの?」という疑念はおそらく見た人ほとんどの頭に沸き起こるはず。"New Neighbors"(Anita McGee)は新しく越してきた隣人のセックスの漏れる声にテンションが高くなる一人暮らしのおばさんの心情を、モノや印刷文字のアニメーションを実写に混ぜつつ表現する作品。下品すぎて笑ってしまった。"Paradise"(Jesse Rosensweet)はこのプログラムのカナダ側で一番秀逸な作品。決められたレール(文字通りのレール)を行ったり来たりすることしかできないブリキ人形の夫婦の平凡な日常は、実は初めからかみ合っていなかったというお話。その証拠に、妻がいなくなったとしても夫は同じルートを進みつづける。キスする先に相手はいない。たとえそこから逸脱してみようとしても、それも実は規定のルートであったりする。運命に逆らうことはできないのか。『トゥルーマン・ショー』とか『マトリックス』とかの設定が好きな人はどうぞ、とはあまり言いたくないが、そういう想像力の作品です。ブリキのおもちゃが好きな人もどうぞ。僕は好きです。人形アニメーションはその人形が愛すべきものであるならば、その時点でもうある程度成功しているのだと思う。(昔フジテレビの深夜にやっていた「よいこっち」の"たまご刑事"を一瞬思い出した。)

"走れ!"(青木純)。短篇アニメーションは規模の大きい時間をダイジェストで一気に駆け抜けることができる。"around"(加藤隆)。短篇アニメーションは日常をきれいに描き出すことができる。加藤隆は、"The Clockwork City"には納得がいかないが、この作品には納得がいく。"おはなしの花"(久保亜美香、井上精太)はICAFの際に書いたので省略。大きなスクリーンで見ると、丁寧さがよくわかる。"ゆきどけ"(大山慶)は、このサイズで観るのは初めて。一作目から自分の作品テーマが本当にしっかりとしている。各種演出も根拠があって迷いがない。改めて良さを実感。ただ、台詞がモロにラテン系の言葉の響きなのが気になってしまった。"診察室"ではきちんと改良されているけれども。"おはなしの花"のあとにこれかあ、と思わず笑ってしまったことは隠さないでおきます。"La Magistral"(山川晃)は、デジタル系のフェスなどで評価されるタイプの作品。次のプログラムの"鼻の日"(和田淳)とちょっとタイプが近かったりもするのだが、それだけにデジタルとアナログの間の深い溝いがはっきりとわかる。僕はアナログの力を信じつづける人間なので、ちょっと受けつけない。上野顕太郎の「5万節」とかエイゼンシテインの『十月』の群衆とかそういうもの方に圧倒されてしまう人間なので……つまりは過剰さに。いくらたくさんのものが動いていようとも、コピペ的作業が可能なデジタル技術でつくられてれば、それらは単純な秩序しか生み出すことができない。過剰ではないと思うのです。"或る旅人の日記「赤い実」"(加藤久仁生)は、僕のような立場の人間があれこれ言えるタイプの作品ではないです。短篇アニメーションの多ジャンル性というのはもちろん長所なのだけれども、評価を難しくしてしまったり、誤解を招いてしまったりする側面もある。"おはなしの花"以降はほんとにいろんなタイプの作品がやってくるので、頭を切り替えるのがタイヘン! "鬼"(細川晋)は実はフルで観るのは初めてのこと。映像部分のクオリティの高さは誰もが認めるところだろう。2Dとの組み合わせも素晴らしい。ただ、音の部分はこれでいいのだろうか。棒読みナレーションが作品内の時代と完全に乖離してしまっている印象。台詞でここまで説明的しすぎなくてもきちんと成立したのではないか。

Program2についてはまた後日。

土居

コメント

日加

日加ショートアニメーション・エクスチェンジ、選者の一人として、上映に行きたかったのですが、行けなくて残念でした。土居君レポートありがとう。
"I Met the Walrus"と"Paradise"は、オタワのコンペに入っていました。でも"Paradise"は、カナダでは見逃して、先日やっとDVDで見ました。
"I Met the Walrus"は35ミリで仕上げられていて、2,000人の大劇場で見てもシャープネスが失われず、いい感じでした。今回の上映はDVDだったのかな?
"Paradise"、キャラクターの顔がマンガっぽいのが気になったけどいい作品ですね。ブリキの妻がいなくなった後の台座の小さな小さな動きだけで、喪失感の悲しみを表現されている所に感心しました。
日本語側の作品は、数本未見の物があるけど、選考委員の多彩さと比例して、いい意味でも悪い意味でも質もタイプもバラエティーに富んでいるようですね。しかしのこバラバラ感が、現代の日本のインディペンデントの状況そのものでもあるのでしょう。
Program2のレポートも楽しみにしています。(山村)

"I Met the Warlus"、やはりフィルムなのですね。今回は残念ながらDVDのようです。
"Paradise"のキャラクターは公式サイトをみるに、50年代の本物のブリキの人形をなるべく忠実に再現したもののようですね。顔もおそらく当時のスタイルなのではないでしょうか。コンセプトもしっかりしているし、いろいろな仕掛けも凝っていて、とても感心しました。現在はカナダ初のストップモーション長編を制作中とのことですが、この作家の力量なら期待できそうです。
日本側の作品は方向性はいろいろでしたが、どれもやはり技術レベルが高かったです。みたことある作品が多く、「ザ・ベスト」的なセレクションで、飽きずに観ることができました。Program2についても近日中にレポートします。

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