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        2011-04-18        「花開くコリア・アニメーション」

「和田淳と世界のアニメーション」とかぶっていたので長編『ロマンはない』は見れませんでしたが、他のプログラム3つは一気に見てきました。日本国内でこんなふうにアニメーション上映をマラソン的に見るのはかなり久しぶりなことのように感じました。国毎の単発的な紹介イベントって、定期的なもの以外はあまり見なくなってきてますよねえ。

トークでは韓国のインディペンデント事情と歴史を簡単におさらいすることができました。
韓国のインディペンデント・アニメーションは90年代後半に始まったもので歴史は浅く、従事している人の年齢層自体もそれゆえに若いそうです。(一番上でも50代。)2000年代にはアニメーションがお金になるという話から国内に大量にアニメーションを学べる学校・学科ができ(200以上だそうです)、その熱が冷めた今でもやはり50以上はあるとのこと。今回のイベントはIndie-Anifestとつながりが強いわけですが、この映画祭自体、SICAFとPISAFでは足りないところ、つまり両方とも国際映画祭(後者は学生)ですから、国内の作品に焦点を当てるものとして行われているそうです。

この話を聞くと、韓国のインディペンデント界は実にうまく組織化されているように思えますが……

上映の方では、これは日本と状況が同じでしょうが、やはり学生作品が目立ちました。Indie-Anifestの応募作品数自体も学生が多いとのこと。
気になった作品についていくつか。
AプログラムInsideでは、『ある一日』(チョン・ミニョン)後半での暗闇における死神との静かな戦いが印象に残りました。画面をほとんど真っ暗にして、何が起こっているのかをあまり明瞭にしないこと、アニメーションではなかなか見られない表現です。あとは『猫我』(カン・ミンジ)ですね。カン・ミンジさんはこれまでもいくつか作品を見たことがあるのですが、なんというか、努力人といったら失礼ですが、注ぎ込まれる物量とパワーにいつも驚かされます。アンジェラ・シュテッフェン『生命線』並に動きまくるんですが、作品の尺が長いし、周りのものが目に入ってないんじゃないかというくらいに、アニメーション制作に集中している感じがするのです(当たり前ですけど)。猫と私というかなりスケールの小さい(失礼)題材によって、宇宙を現出させてしまうような作家です。
BプログラムOutsideでは、まず『EATING』が印象に。疲れきったサラリーマンが主人公となるわけですが、彼の疲弊が作品全面から、コミカルではないかたちで伝わってきます。アニメーションの質的には『田舎医者』を思わせるような身体のディストーション。しかし、その動きは、気怠く、重いです。マラソンの比喩やその他様々な展開が全体として有機的に機能しているかといえば微妙なところですが。やらんとしていることはハッキリとわかります。『子犬』は学生作品ですが、こちらは非常にクレバーで笑える作品です。白地にドローイングの線のみという非常に抑制の効いた画面で、効果的なカメラワークによって必要なことだけが語られていきます。ネタバレをしてしまえば反復ものなのですが、語り方がウィットに富んでいて楽しめる作品でした。3プログラム全体を通じて最も美しい作品は『日常の中の生』(キム・ジュン)でした。トーリル・コーヴェを思わせるようなシンプルでクリーンな描線で描かれた街のなかの一時の物語。数人の若者たちが、同じ場所を緩やかに共有する様子を淡々と俯瞰で語っていきます。描線は簡素なのですが、現実の街中よりももっといろいろなことが同時に起こっているような気がします。主要な登場人物たちの視線も、どこに向かっているのか定かではないまま、登場人物たち自身もどこに視線を向けているのか意識していないような、そんな力の抜け方がありました。そういった日常的な緩い集中力がたくさん集まった中盤の一瞬に、作家が意図したのかそうでないのかが定かでないくらいのちょっとした調和が起こり、震えます。とにかく、現実を生きるよりもたくさんの情報が、とても有機的にスッと入り込んでくる感じがあるのです。アニメーションなのに。
CプログラムYouthは題材も作品の質自体も「若い」ものが多かった気が。印象的だったのは潜望鏡に囲まれた双子の姉妹の振る舞いが謎めいていて素敵な『Six Steps』(パン・ジュヨン)、若い恋人の別れにまつわる感情のグラデュエーションを豊かに描いた『旅行カバン』(クォン・ヨンファン)あたりでした。

「花開くコリア・アニメーション」はこの後大阪や名古屋でもあるようです。

公式ホームページ


土居

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