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        2009-12-28        2008-2009年ベスト(2):長編、学生作品、「選外佳作」的なもの

今年はアニメーション長編で話題作が多かった年でもありました。Sita Sings the Blues (Nina Paley)やThe Christies (フィル・ムロイ)などといった個人制作による長編がポツポツと出始めたここ最近の流れは、まだまだ続きそうです。フィル・ムロイのMirrorlandsの衝撃の予告編もありますし、かねてより長編の制作中が伝えられているアンドレアス・ヒュカーデやイゴール・コヴァリョフ(長編の制作計画はポシャっていないらしい)、黒坂圭太の『緑子』も来年にはついに完成するとのことだし、ノルシュテイン『外套』もきっと……(「モーニング・ツー」のインタビューでは、山村さんもまた将来的な長編制作への意欲を……)今年の成果から、僕的には二本ピックアップ。

メアリーとマックス』(アダム・エリオット

mary

アダム・エリオット作品として、新しいところは何もありません。とにかく彼の延長線上。でもそれでいいんです。彼の奇妙な造形の人形は本質的に不完全な人間の表現として、その醜さに必然性があります。彼の作品は、ファンタジーの世界にたゆたうのではなく、人間に対する認識を改めてくれるアニメーションです。『メアリーとマックス』はアダム・エリオットの到達点。全人類必見です。(噂によると日本公開の可能性が高まっているようです……)

My Dog Tulip, (Paul & Sandra Fieringer)

tulip

「個人作家による長編の可能性」の一連のシリーズに素晴らしい作品が加わりました。大ベテラン夫婦によるこの長編は、Sita Sings the BluesChristiesがどうしてもミニマルで形式的な傾向から逃れることができない(というかあえてそっちの方向に行っているのですけど)一方で、普通にゴージャスな長編アニメーションとして成立してしまっているのが恐ろしい。良質な映画を観たなあ、というしみじみとした感想を抱いてしまうんです。三年間あればここまで出来る。実に素晴らしい。日本公開を切に願います。

学生作品からも今年印象に残ったものをピックアップ。国内外から一本ずつ、二つの傾向に分けて。

Rabbit Punch, (Kristian Andrew)向ヶ丘千里はただ見つめていたのだった』(植草航

rabbit mukou


この二作はこの時代だからこそ生まれたヒリヒリとした空気感と内容を持った良作でした。『向ヶ丘千里』はPlease Say Something同様に一度目の鑑賞と二度目の鑑賞の感想が全然違いました。それは僕の力量不足と余裕ぶっこきな鑑賞態度によるものなので反省しきりです。学生作品ではないですが、Dust Kid, (Jung Yumi)もこの列に並べることのできる良作でした。自分と折り合いをつけることについての非常にパーソナルな物語。アジアの個人作家のアニメーションの一傾向を象徴するものとなりうる作品だと思います。

Lebensader, (Angela Steffen)アニマルダンス』(大川原亮)

leben animaldance


この二作は、この2009年に生まれた必然性というものはあまり感じられないのですが、とにかくその圧倒的な技術力とアニメーション的快感によって強く印象を残した作品でした。クラシックなものの系譜にどーんと乗っかっているというか。(ヨコハマ映像祭での発言によれば、大川原亮はかなり意識的にそのようなアプローチをとったそうですが。)手放しで誉められるかといったらそれはちょっと疑問なのですが(俗っぽさや同時代性は必要だと思う人間なので)、頼もしい若手たちがこの世界に殴り込みをかけてきたなあとは思います。


最後に、映画祭でいえば「選外佳作」的な数本挙げておきます。埋もれてしまうのは惜しい作品として。


屋根裏のポムネンカ』(イジー・バルタ)

pom

今年一番「アニメーションをみたなあ」と感じたのは、バルタによるこの長編を観たときでした。個人的にはバルタの作品のなかで一番好きです。

Chainsaw, (Denis Topicoff)

chainsaw


El Empleo, (Santiago Grasso)

el


メジャー感漂うこの二本についても記憶に残しておきましょう。L'homme à la Gordini(Jean-Christophe Lie)も面白かった。場所さえ与えられればたくさんの観客を獲得しそうな作品です。

本当に最後にアグリーな作品を二本ほど。

The Tale of Little Puppet Boy, (Johannes Nyholm)

puppetboy

商業と「芸術」の区分はないんだ、と言った瞬間に、実はその区分をすごく気にしていることが明らかになってしまうものですが、たとえばこの作品なんか、そんな区分など最初から一瞬も頭によぎりません。チープで汚い人形とチープな効果音は、チープな人間の生活(つまり世の中のほとんどの人間の生活)の賛歌として的確に機能します。おそらくPlease Say Somethingと同じような立ち位置にある作品として理解すべきでしょう。圧倒的なセンスがあります。(昔の映画の字幕の表現をみたときにはぶったまげました。)最終的には長編となるようです。それが完成したとき、また新しくアニメーションの可能性が開けることでしょう。とにかく笑えました。

Boris, (Daniel Lundquist)

boris

なぜアメリカ人だけがこういうアニメーションを作れるのでしょうか? 自らの作品をugly animationであるとする彼は作品自体のそのぐちゃぐちゃさに反してとても清々しいです。新世代のビックフォードとして記憶に留めましょう。そういえば、今年は作家としてのビックフォードが日本に正式に紹介された年でもありましたね。

この二回のエントリで言及した作品がみんな広島で流れるといいんですけどね。そしたらアニメーションが途方もなくエキサイティングであることがよくわかるのですが。

いやいや、2010年に完成する新たな傑作が、さらにシーンを盛り上げてくれることを願いましょう。

土居

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