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        2009-10-15        オタワインターナルアニメーションフェスティバル09(1)

アヌシーに続いて速報的旅行記を「インターナル」バージョンで。

昼ごろ、とりあえずフェスティバル事務局に行ってプログラム等をピックアップ。
なぜかフリスビーが入っている(笑)。
プログラムはアヌシーとも広島とも違う感じ。
コンペが端の方に追いやられてオマケ程度になっており、
特集上映が前面に押し出されている。
そしてそれぞれの特集上映に寄稿者がいて、読み物として面白い。(これがオタワの特徴。)

歩いたら疲れてしまったので(近くのショッピングモールで迷った)、
とりあえず部屋に帰ってきて寝て、
六時頃に起きてまた会場へ。
バイタウンシネマという映画館が今日の舞台。

ottawa200901
(バイタウンシネマ)

映画館自体はものすごくレトロな感じで、ポップコーンが名物らしい。
二階席まであるのだけれども作りとしては珍しい。(写真撮りわすれた。)
そして椅子の座り心地が良い。

19:00~ 長編コンペ1 『Mary and Max
クリス・ロビンソンが今年のオープニングとして選んだのは『Mary and Max』。アヌシーでもみたけれども、英語の聞き取りの練習のためにも再見。二回目なのでいくつかの粗が目についたものの(数シーンで、ナレーションの素晴らしさに映像がついていっていない)、最後はやはり泣いてしまった。トンデモなエピソードがたくさん詰め込まれているけれども、人生で本当にありうることや人間の本当の性質を誇張して描いているので、どれも胸に刺さる。素晴らしい作品であることは変わりないので東京国際映画祭での上映には是非足を運んでみてください。22日の方はまだ空席があるみたいですので……

21:15~ 開会式&短編コンペ1
休憩時間を利用して近くにあるでかいスーパーでホテルの部屋用の食材を購入。その後映画館に舞い戻り、開会式。広島に比べるとものすごくシンプルな開会式。カナディアン・フィルム・インスティテュートの代表者と誰か(誰なのかわからなかった)、クリス・ロビンソンと今回の名誉会長オットー・アルダー(例の12月のイベントの主催者です)が短く(そしてファニーに)スピーチをするのみ。とってもフランク。無駄がなくていいと思う。
短編コンペ1はものすごくユニークだった。概観すれば、ヴィジュアル的には必ずしも素晴らしいものではないが、生々しい質感を持ったものばかり。その映像面の(あえて言えば)質の悪さゆえに、逆にアニメーションについて考えるにあたって示唆を与えてくれる作品が多かった。さらにいえば、ほとんどの作品は、死、喪失、失うことの恐れについて扱ったものばかり。ロビンソンは去年親友を亡くしており、そのショックから立ち直っていない。(その経験を元にしてこんな本も自費出版している。)オープニング・スピーチでもそのことを話していたが、セレクションにもそれが色濃く反映されている。その是非はどうなのかは人によって違ってくるだろうけれども、俺はそれでいいと思った。

ottawa200902
(開会挨拶中のクリス・ロビンソン)

今日のプログラム作品はすべて面白かった。
"The Paper Prince"(Hamish Lambert、高校生部門)は、仕事はできるが友達はおらず、唯一の趣味は折り紙を折ることだけというビジネスマンが主人公。技術はもちろん拙いが、ストーリーテリングがものすごくしっかりしていて驚いた。
"Love on the Line"(G. Melissa Graziano、卒業制作部門)は19世紀を舞台にした恋愛劇。切り絵アニメーション。親たちの目を盗んで電報の信号で愛を伝えあう物語。両者のメッセージはサイレント期の映画のような字幕と同時に、グラフィカルにいろいろなかたちをとる信号によってもかわされていく。次第にテレフォンセックスならぬ電報信号セックスにまで発展していき……オチは読めるがそんなこと気にならないくらいに面白い作品だった。
"The Seed"(Johnny Kelly、依頼作品部門)は折り紙めいた紙製の立体を用いた切り絵アニメーション。リンゴの種が辿る連鎖を図解的に映像化。完成度が高かった。
"Birth"(Signe Baumane、ナラティブ短編部門)はアヌシーでも観た作品。感想は繰り返しになってしまうけれども、ほんとにこの時代に作られたとは思えないなんともいえないグラフィックなスタイルで、幼くして妊娠してしまった少女の感じる不安や恐れを、センシティブであることなどおかまい無しのメタファーで映像化する。なんだかすごく異形な作品だけれども、やはり非常に力はあると思う。
"Sarah"(Caroline Attia、依頼作品部門)は、銃によるDVを抑制するためのキャンペーン映像。とある女の子の人生を、誕生からその非業の死まで丁寧に映像化。
"Vaihdokas(Changeling)"(Leena Jääskeläinen、ナラティブ短編部門)は(おそらく)パルンの元生徒の作品。育児ノイローゼに陥った母親が感じる娘への愛憎(後者が断然強い)の気持ちと彼女を失ってしまうのではないかという根拠のない恐れが、「取り替えっ子」の寓話とパラレルに語られていく。実写を含めいろいろな手法を使いつつも、正直言ってどのシーンも映像としてみたら力がない。しかし、"Birth"と同じく、その拙さがものすごく機能する瞬間があり、ゾクリとさせられた。生々しい作品。
"Q&A"(Mike Rauch &Time Rauch、ナラティブ短編部門)もアヌシーで観た(あれ、何も書いてないぞ……)。アスペルガー症候群の12歳の少年が母親と交わした実際の会話を台本として、それを映像化。これもグラフィック自体の質が悪いけれども、ナレーション&元の素材が達者であるがゆえにパワフル。
"MGMT "Kids""(Christy Karacas & Ray Tintori、ミュージック・ビデオ部門)は、子どもが世界に感じる恐れを主に着ぐるみを使って映像化。「アニメーションじゃないじゃん」と途中まで思っていたけれども、後半はエストニアのアニメーションのような奇妙な動きで子どもが動き回るので笑ってしまった。
"Daniel's Journey"(Luis Zamora Pueyo, ナラティブ短編)は今日一番良かった作品。父親と、父親に愛されていないと感じている息子の物語。一時の心の誤りで父親が娘(主人公の少年にとっては妹)を傷つけ、それが遠因となって妻(少年にとっての母)と娘が交通事故で死んでしまった後の二人の心の葛藤の物語。妹の幽霊も少年に取り憑くかのようにして何度も登場し、その存在がさらなる誤解を招き、悲劇的な結末へと向かって突き進んでいく。現実的な空間設計なのに、明らかに象徴的な空間にもなっており(その点で言うと『岸辺のふたり』に近い)、非常に巧み。数カ所のミス(というふうに俺には思えた)がなければ、傑作と呼んでいいようなレベルに達していたような素晴らしい作品。とにかく恐ろしく感じた。作者は商業アニメーションの分野に関わっており(『ぽこよ』などに関わっているらしい)、2005年あたりから個人的な作品を作りはじめたようだが、近い将来すごい作品をつくりうるポテンシャルをもっているように思った。
"True Confessions"(Ian Miller, 学生部門[※卒業制作部門とは違います。在学中の作品です])は、ドラック中毒の女性が掛けてきた実際の電話を元にしてアニメーションを作った作品。(そういう作品多いな。)ぐちゃぐちゃとした描線をもった、息抜きとして素晴らしい、笑える作品。
"Dried Up"(Isaiah Powers, Stuart Bury & Jeremy Casper, 学生部門)は、このプログラム唯一の人形アニメーション。荒廃した世界で、ある一人の中年男性が必死にガラクタを集めていく。なんだかナルシストな感じで嫌だなあ、とちょびっとだけ気を抜いてみてたら、びっくりした。男が最後に鳴らすオルガンの音がめちゃくちゃ大きい。あたかも「失われたものを取り戻したい」「みなに希望を取り戻したい」と言わんばかりのエモーションがこもった音で、すごくびっくりした。このプログラムの他の作品との相乗効果がなせる業だろうか。圧倒された。
"The Passenger"(Julie Zammarchi, ナラティブ短編)は、近く死を迎えることが確実にわかっている女性の精神世界への旅を描く作品。スーザン・ピットに影響を受けているのは間違いないゴツゴツとした動きのアニメーションのパートと、マントラ的なパート、そしてディズニーの影響が色濃い時代のソ連アニメーションを思わせる絵柄での動物のチェイスが組みあわされた、なんとも言えぬ奇妙な作品。最初から最後まで、捉えきることができない本当にユニークな作品だった。もしかしたら大したことない作品なのかもしれないけれども、印象に残った。リンク先のトレイラーだけみたら面白くなさそうでしょ? でも全体でみるととても奇妙。変な作品だ……
"The Art of Drowning"(Diego Maclean, 学生部門)は、ビリー・コリンズ『溺れる技術』の詩をアニメーションにした作品。ロトスコープを用いているのだが、それなのにこのアニメーション的な快感はなんなのだろう。おそらくスローモーションが効いているのだと思う。紙にガシッと刻まれたペン筆跡が素晴らしい。内容自体は言ってしまえば死ぬ直前の走馬灯で、ここにもまた死の影が。ヴィジュアル的には拙い作品が多いと書いたけれども、この作品はとっっても質が高かった。
"Git Gob"(Philip Eddolls, ナラティブ短編)はNFBの若手育成プログラムHothouseの一編。二匹の奇妙な生物が、地面に開いている穴をみて「なんだろう」と考える作品。みてもらった方が早いですよ、と書くと気に入ってないように思えてしまうかもしれないけれども、この作品に関しては逆。かなり笑えた。生物たちの意味をなしていないようでなしている鳴き声が有効に機能。

その後はパーティーへ。
本当に日本人が見当たらず、先日来日していたエレーヌ・タンゲさんの一団に加わってパーティー会場へ。
パーティーでクリス・ロビンソンと話したら、今日のプログラムに死や喪失を主題にした作品が多いことを認めつつも、「自分では気付かなかったけど、今日観てみて、人間の人生を辿っているような構成になっていた」と言っていた。"Love on the Line"でのセックスから、出産、育児、子ども、死、そしてあの世という順番をたどっているということらしい。俺もそれには気付いていて、だからプログラム全体として物語のようにして見れた。つまり非常にユニークだということ。(他のプログラムは別にそうではないらしい。)
あとはオットー・アルダーと挨拶させてもらった。12月にルツェルンに行くこと、ノルシュテインが研究テーマだということを言うと、非常に喜んでくれた。怖い人かと思っていたけど、すごく良い人だった。(クリス・ロビンソンもルツェルンには行くらしい。オタワ以上にアウェイになると思っていたのでちょっと安心。)
他には本当に知り合いがいなくてやばいと思ったので、思い切って何人かに突撃。アヌシーで衝撃的だった"Madagascar"の作者Bastien Duboisと一番多く話した(というか話を聞くだけだったけど)。手法もいろいろだし、手もこんでいたので、スタッフワークで作られたものなのかと思ったら、スキャンなどの雑用を除いてすべて一人でやったということなのでびっくりした。
あとはデイヴィット・オライリーとCartoon Brewのアミッド・アミディが話し込んでいたところに割り込んでいき、オライリーに記事を翻訳させてくれるお礼に日本茶をプレゼントした。すごく喜んでくれたので嬉しかった。庵野秀明の作品が実写も含めて大好きだという話を皮切りに、今敏、湯浅政明(というか『マインド・ゲーム』)、あと実写だと石井克人の『茶の味』が好きなんだよと畳み掛けるように話していた。彼の好みがなんとなくわかる気がする。

あとはハーツフェルトを見つけて挨拶しようと思ったけれども、どうもまだオタワに来ていない様子なので、ホテルに帰ってきた。

長いな!
書くのに1時間半くらいかかっちゃったよ!
面白い作品が多かったからしょうがないね。

明日はジム・ハーシュフィールドの特集と長編3本(『My Dog Tulip』『Coraline』『ガブリエラ』)、短編コンペ2を観る予定。
まだ時差ボケが治っていない&腹壊したという条件下で耐えられるかどうかが不安。

土居

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