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        2009-02-22        東京工芸大学セレクションプログラム&恵比寿映像祭「Animated Visions」

今日はハシゴしてきました。
六本木ヒルズは嫌いです。

まずは工芸大の卒制セレクションプログラム、目を引いたのは三作品。
『向ヶ丘千里はただ見つめていた』(植草航)。動きの活きの良さを感じました。でもたぶん違う文脈におられる人の方が高く評価するようなものだと思います。
『COSMIC』(一瀬皓コ)は『ウシニチ』でおなじみの方の新作。ちょっとびっくりしました。あの世の星とこの世の星のふたつを舞台にした、宇宙スケールの作品でした。あの世の世界で幸せそうに暮らす男女二人、しかし謎の鳥に一方が連れさられ、この世の星で赤ん坊として新生する。この世の星で死ねば、またあの世の星に戻り……二画面分裂で展開しただけでも「おおっ」と思うのに、この作品は三画面に分けました。愛する人が帰ってくるのをけなげに待つ片方。そのさみしさ、空虚感の表現のために一画面を用意しているわけです。誰もいない画面を。一瀬皓コの良いところは、世界を俯瞰で見れるところ。必ずしも文字通りの俯瞰ではなく、個別のモチーフを距離を置いて見ることができることです。ユーモアにとってとても重要なことだと思います。俯瞰で映し出された世界には、さらりと残酷なことが描かれ(だって死なないと二人は一緒になれないわけだから)、それでいて全体として愛らしさもまた感じることができる。広島で観たドニョ・ドネフの作品を思い出しました。無理矢理構成してまとめた感の感じられた『ウシニチ』に比べると、構成力がグンと伸びた印象があります。もう一段階進歩すれば、面白いことになるかもしれない……
もう一作は『Lizard Planet』(上甲トモヨシ)。前の二作に比べて、断然良くなっている印象でした。宇宙にうかぶトカゲの星が辿る宇宙時間のお話。これもまた宇宙。タイムラインは明確で、原始の海的な世界→人工物の世界→滅亡後の世界という順を追っていく訳で、これ自体は特に目新しいこともないアイディアなわけですが、原始の海的世界と滅亡後の世界の両者における、星たちのバラバラ具合にグッときます。なぜトカゲなのかあまりよくわからないこと、人工物の世界での付和雷同的運動の見せ方が押し付けがましいこと(それこそ一瀬的に俯瞰を保った方が良かったのでは、などと思いましたが)、そういった「?」要素もありますが、基本的にはしっくりと来て結構楽しめました。

それにしても六本木ヒルズは嫌でした。アカデミーヒルズか。なんだよドレスコードって。雪駄お断り、ってなんだよ。(別に俺が雪駄履いていたわけではないけど。)あーいやだ。『Lizard Planet』の展開みたいにさっさと滅亡しちゃえばいいのに。

その後恵比寿に移動して恵比寿映像祭。愛知文化芸術センター制作委託作品集。石田尚志x辻直之x大山慶の特集上映。石田尚志『フーガの技法』はずいぶんと久しぶりに観ましたが、これでもか、これでもか、と畳み掛けてくる過剰さはすでに原曲を超えています。個人的にはこの作品が一番好きです。辻直之『影の子供』は冒頭の一分間が歴史的瞬間です。アメーバのような、水滴のような、生命感あるなにものかがぐにゃりぐにゃりと動きつづけるだけ。アニメーションのある種のあり方をこれほどまでに的確かつピュアに具現化したイメージはないのではないでしょうか?そこからすべてが生まれるなにか。エイゼンシテインの言う原形質性そのもの。キャンバスに木炭で描画するだけの辻作品において、『影の子供』はその表現が最も深化したものになっているように思います。木炭の黒は、1.輪郭線の黒、2.邪悪なものの具現化としての黒塗り、3.無限の無であるような瞳の黒、三種類のものとして知覚されます。(ある意味でクルメの作品を思い出しもします。)涙が起こす決定的変容もまた素晴しい。容易には分析・分類しきれない豊かさが、辻直之の木炭にはあります。ベース一本だけを用いた音響設計の素晴らしさも特筆すべきものあり。これもまた、辻直之の木炭のよう。しかし新作『エンゼル』には驚きました。なんだかすっきりして、世界も晴れやかになって、幸せになって、輪郭線もぶっとくなって。木炭の流動感を後景に退かせ、語りたいことをズンと前に押し出すような。そして大山慶の新作『HAND SOAP』の東京プレミア上映。こちらは本当に驚きました。アニメーションでこういう空気感が出せるのか、と驚嘆。実写じゃないのにこんな光と影のきらめきのようなものが出せるのか、と。……やはり日本の若手のなかでは頭ひとつふたつ抜けています。詳しいことはもうちょっとちゃんと観てから書きたいです。観たことない映像がいくつもありました。

『HAND SOAP』はしばらく観る機会がないみたいですが、工芸大はまだ明日もあります。詳しくは前回のエントリを。


土居

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