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        2009-02-06        平成20年度文化庁メディア芸術祭上映プログラム「オタワ国際アニメーションフェスティバル」

楽しみにしていたオタワフェスティバルのベストプログラム、
期待を裏切りませんでした。
裏切るどころか、まったく想定していなかったような傾向をビンビンに感じてしまい、非常に嬉しくなりました。
一言で言うならば、「考えるな、感じろ」ではなく、「考えろ、感じろ」。(詳しくはまた今度。)
去年もオタワのプログラムを観た後には「アニメーションって本当に面白い」と思いました。
今年もです。

オタワのプログラム、絶対に観にいってください。
2/12(木) 11:45-12:45
2/14(土)11:35-12:35


アヌシーの作品集が、長編映画の文法やクリシェを模倣しようとする予備軍的作品ばかりだったのに対し、オタワの方は短篇でアニメーションで出来ることを追求した作品ばかりです。
うじうじしているところなど微塵もない、非常に抜けの良い作品ばかりです。
でも講堂での上映がないのです。アヌシーは二回もあるというのに。
真っ暗なところで、大きな音で観たら、もっと素晴らしかっただろうに。
来年上映されなくなったら非常に困るので、アンケートに「オタワのプログラムが素晴らしかった」と書きましょう。もちろん、そう思ったら、ですけど。思ったなら、きちんと書いてください。

プログラムです。
書きたいことがあまりにたくさん出てきてしまったので、詳細についてはまた後でまとめて書きます。

"OIAF 08 Signal Film" (Ian Lagarde)
"C'est toujours la même histoire (It's Always the Same Story)"(Joris Clerté & Anne Morin)
"Cattle Call" (Mike Maryniuk & Matt Rankin)
"I Slept With Cookie Monster"(Kara Nasdor-Jones) ※最優秀学生作品
"The Comic That Frenches Your Mind" (Bruce Bickford)
"A Letter To Colleen" (Andy London & Carolyn London)
"The Mixy Tapes" (David Seitz & Mike Wray)
"Último 'Spong Ice' " (Bolos Quentes Design)
"The Control Master" (Run Wrake)
"Chainsaw" (Dennis Tupicoff) ※短篇部門グランプリ

"Cattle Call"はマクラレンの『隣人』を、"The Mixy Tapes"はフランク・モーリス『フランク・フィルム』をそれぞれ思わせる瞬間がありました。手法が同じだからそういうわけではなく、良質のアニメートが持つ抜けの良さに辿り着くことによって共振している、ということです。それゆえに既視感はあるが新鮮。これほど身体的でエモーショナルなアニメーションがぼこぼこ作られているとは思いませんでした。
ラン・レイクの新作"The Control Master"は、最高にエンターテインメントしていました。面白い、と素直に思いました。彼は非常に立派な職業作家です。
そして話題の"Chainsaw"。これには本当に驚いた。こちらも圧倒的に面白い。空を見上げる男の顔、アニメーションが表情の微妙な変化によって雄弁に語ることができるとは驚きです。しかも技術的な裏付けがある。どういうことかといえば、実写映像のロトスコーピングであの表情は作られていると思うんですが、実写の人間の表情の情動的な部分が「抜き出される」ことで、ものすごく雄弁にエモーションが伝わるようになっている。驚きです。ロトスコープにこのような用い方があるなんて。しかしなによりも、これこそが短篇の語りだ、と思わせる迫力がある。たとえば広島のコンペに入っている"Grrrr..."に対して僕は「人間が描けてる」と言いましたが、あれは今から思えば部分的なものだった。それどころじゃない。人間の存在がこの作品にはまるごと描かれている。"A Letter to Colleen"や"I Slept with Cookie Monster"も然り。なによりも、閉塞感が微塵もない。("Lavatory Lovestory"に対して「だからなんなのだろう?」と感じてしまったことも前に書きましたが、こちらにはまったく感じない。)人間のセックス、牛のセックス、ロデオ、騎乗位、鳥、犬、牛、人間、生、性、死といった互いに響き合うモチーフと、決してなにとも響き合わずだからこそ不気味なまでにエーモションを喚起するあの親鳥の目。解消することのできない何かをチェーンソーよろしくざっくりと切り刻んでくる作品です。観たことがないアニメーション作品でした。驚いた。

一応注意しときますけど、ナレーションの作品が多いです。(最近の傾向でもありますが。)
そして字幕がないです。でも問題ありません。
むしろ、意味作用に注意を奪われることが減り、
リズムの傑出した作品が揃っていることがわかるようになると思います。
映像自体が、(意味を奪われた語りも含む)音自体が、どれだけ雄弁に語っていることか。

学校や職場をさぼってでも観にいく価値はあるのではないでしょうか。
あくまで自己責任でお願いしたいですけど。
面白くないなあ、と思った作品は、ひとつとしてありませんでした。

広島で"Dialogos"を観たときと同じように、ガッツポーズが出ました。
身体感覚を喚起する、情動的(つまりエモーショナル)なアニメーションばかりです。
これは貴重です。ゾクリとしてください。

"Drux Flux"が入っていないことだけが残念。

土居

コメント

Billy's Balloon

時々たのしみに読んでいます。
僕も今日のオタワのプログラム見に行きました。正直言ってブルース・ビックフォードの作品と、音楽に合わせて微妙な踊りをする男性2人のフィルムの周りにペイントした作品(たぶん"Último 'Spong Ice' " (Bolos Quentes Design))、切り絵のパロディ風の作品("The Control Master" (Run Wrake))くらいしか印象に残らなかったのですが、土居さんのレビューを読んでまたいろいろ思い返しています。
「チェーンソー」については、事が起る前に「こいうことがやりたいんだな」と予測できてしまった部分が多かったような気がして、イマイチ入り込めなかったのですが、なんか気になる作品ではありました。
また”もっと書きたいこと”に期待しています!

Re: Billy's Balloon

コメントありがとうございます。
僕がオタワプログラムに感じた魅力は、きちんと説明しないともしかしたらわかっていただけないような部分かもしれません。
余裕が出来たらちゃんと書いてみます。

タイトル間違ってました

ひとつ前のコメント、タイトル間違ってましたね。
オタワのプログラムにはいろいろ面白いことやろうとしてるな、と感じた作品が多かったことは確かです。あと何故かウシの出て来る作品が多かったですね・・ウシ年・・?

(補足)チェーンソー

「チェーンソー」についてちょっとだけ補足です。見てすぐの感想で「事が起きる前にそれが予測できてしまう」と書いたのですが、「起きるのが予測できても止められない」ことやそれを当事者たちが「知ることができない」というのがこの作品の描きたいことなのだなあと改めて思いました。表面的なショッピング映像の奥にある世界で起きる出来事の連鎖から誰も逃れることが出来ない・・
鑑賞時間は短くても、見た後色々考えられるのも短編アニメーションの楽しみですね。3月にはいろいろ上映イベントもあるそうなので楽しみです。

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