2008-12-27
『動物農場』
ジブリの名作復刻シリーズ最新の出し物はハラス&バチュラーの『動物農場』。
ジョージ・オーウェルの著名な小説を原作として、
マイケル・ドゥドク・ドゥ・ヴィットが語っているように、
アニメーションをプロパガンダの手段として割り切っているところが素晴らしい。
支配者である人間を追い出した後、
新た支配者としてブタが君臨するところで終わるわけでもなく、
その豚に対してさらに反旗を翻すロバがさらに権力の甘い罠にとらわれてしまう(だろう)ところまでを描くのでもなく、
あくまで「立ち上がる」ところで作品を終わらせることが感じさせる決意。
CIAが製作支援したという噂もさもありなん、というようなあからさまな反社会主義的モチーフ(トロツキー、スターリンの戯画)は今となっては逆に表層的なパロディとして後景に退き、
現代の観客である私たちにダイレクトに伝わってくるのは、支配するものとされるもの、搾取するものとされるもの、という構造の普遍性。
ここからスタートして今の社会について考えはじめてもいいし、
構造を抜き出すことに長けたアニメーションの本性について思いを馳せてもいい。
余計な装飾は捨て(それでも暗闇に溶け出す動物たちの輪郭の描写は素晴らしい)、
とにかく「読まれる」「解読される」ことに専念させられた作品としてとても興味深い、
今でも充分観る価値のあるアニメーション映画。
シネマ・アンジェリカなどにて公開中。
公式サイト
土居
ジョージ・オーウェルの著名な小説を原作として、
マイケル・ドゥドク・ドゥ・ヴィットが語っているように、
アニメーションをプロパガンダの手段として割り切っているところが素晴らしい。
支配者である人間を追い出した後、
新た支配者としてブタが君臨するところで終わるわけでもなく、
その豚に対してさらに反旗を翻すロバがさらに権力の甘い罠にとらわれてしまう(だろう)ところまでを描くのでもなく、
あくまで「立ち上がる」ところで作品を終わらせることが感じさせる決意。
CIAが製作支援したという噂もさもありなん、というようなあからさまな反社会主義的モチーフ(トロツキー、スターリンの戯画)は今となっては逆に表層的なパロディとして後景に退き、
現代の観客である私たちにダイレクトに伝わってくるのは、支配するものとされるもの、搾取するものとされるもの、という構造の普遍性。
ここからスタートして今の社会について考えはじめてもいいし、
構造を抜き出すことに長けたアニメーションの本性について思いを馳せてもいい。
余計な装飾は捨て(それでも暗闇に溶け出す動物たちの輪郭の描写は素晴らしい)、
とにかく「読まれる」「解読される」ことに専念させられた作品としてとても興味深い、
今でも充分観る価値のあるアニメーション映画。
シネマ・アンジェリカなどにて公開中。
公式サイト
土居
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