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        2008-09-05        ASK FILM FESTIVAL 2008

東京・京橋のASK?ギャラリーでの映像祭

Bプログラム 久里洋二
横浜フランスアニメーション映画祭のFプログラムでも感じたことだけれども、「勉強になります」というのが率直な感想です。前回の広島のフレームインでのトークイベントで、若い作家へのメッセージとして「マラソンを逆に走れ」とおっしゃていましたが、得心。やっぱり今のアニメーションって、現実に近すぎるものが多い気がします。きちんと空間を作って、きちんと動かして……別にアニメーションはそんなことをしなくていいのだということに気付かせてくれる作品群です。目からウロコ。動かすときはきちんと動かす。動かさなくていいときは動かさない。描くところは描く。描かなくていいところは描かない。動かさなくてもいい、描かなくてもいい、そういう気付きは、アニメーション表現に風通しの良い自由さをもたらしてくれる。改めてじっくり観てみると、実に手数が豊富です。ちゃんと気持ちよく動かしても、同じものを繰り返し利用しても、ただカメラをパンするだけでも、ただカメラを切り替えるだけでも、何も不自然なところはない。笑えるかどうかはもうどうでもいい話(観客のバックボーンによるし)。オチがどうだ、とかいう問題でもない。内容はよくわからなくても、面白い。『進化』での常軌を逸したあの雲の描写……娘さんが描いた絵をもとにしてストーリーが組み立てられた『小さな囁き』での、子供の語りならではの気になることとそうでないことへの濃度の偏り……AがBになってCになるからDということになる、と優等生的に組み立てる必要はなく、AがAだからBでAで、CがAしてCだからAで、でもAがCだからBでDがDでDで……お姫様への憧れ、「男の子」と「女の子」への異様なこだわり、そのなかに宇宙人が登場する……おかしなことをしてやろう、というのではなく、あくまでナチュラルに……本当に学べることの多いプログラムでした。

Dプログラム 最新の実験映画セレクション
アニメーションではないですが、牧野貴『The Seasons』は、普段僕がものを書いているそのスタンスに少しでも共感していただける方であれば、是非とも観にいっていただきたい作品です。多重撮影などで実写を解体する手法で映画を作りつづける牧野作品。ノイズへと完全に解体され、元の被写体は原型を留めていないけれど、つまり表面的には何も見えないのだけれども、実際にはありとあらゆるものが映っている。見えないけれども、確かに感じる。個人的には、こんなに豊かなノイズは観たことがない。『惑星ソラリス』(もちろんタルコフスキー版)のあの海と同等のものや、どこかの惑星の表面、かと思えば一面の雪吹雪、微小の生物たちのブラウン運動的な蠢き。ありとあらゆるスケールのものが見える。存在していないけれど、確かに見える。おそらく、人によって見えるものが違う作品でもあるのではないか。人間に秘められた力を呼び覚ましてくれるような作品。

Eプログラム 2008年映像コンペティション受賞作品
 アニメーションのコンペではなく「アート志向の映像コンペ」(「総評」より)とのことなので、あくまでアニメーションの文脈にいる人間からのレビューであることはあらかじめお断りしておきます。
 大賞は『パンク直し』(岡本将徳)。自転車屋が自転車のパンクを直す様子を切り絵アニメーションによって表現。非常にストイックな作品。驚くべきは、タイヤのチューブが完全に生きていたこと。僕自身はパンクを直したことはないですが、タイヤに空気を入れるときに感じていた「あの感じ」を追体験させられて少しビビりました。ラピュタフェスで観た『swimming』(平山志保)から受けたのと同様の新鮮さを感じました。ただ個人的には、完全に息づいていたチューブに比べ、ホイールに元気がなかったのが残念。あと、エンドクレジットですべてが完全に静止していたのも勿体ない気が。来場していた作家の方は「切り絵という制約のあるものを用いることでアニメーションの魅力を確認したい」とおっしゃっていたので、非常に好感を持ちました。このプログラムで「うーん……」と思ってしまった作品の多くは、まさにデジタルゆえの制約のなさが悪い方向に向いてしまっているものばかりだったので。
 『ウシニチ』はもう何度も触れてますので……
 『DEVOUR DINNER』(水江未来)は、今年のアヌシーで入選した作品。いつも通りに細胞主体のキャラクターの食物連鎖合戦(最近結構流行ってる?)を、短いエピソードの積み重ねで描いていくもの。あいかわらずの奇妙な運動感。この方の作品はこういう小さなキャパでしか観たことがないので、本当の画質がいつもわからないままで結構なんとも言いがたいところがありますが、今回の作品に関していえば、それぞれのネタがもっとさりげなく流れていくように全体の構造をしっかりすれば、そしてあまりにあんまりな音の付け方がなんとかなれば、面白い作品になりそうなのになあ、と思って観ていましたが、作家コメントでは、「この作品はniftyの配信用に制作した短篇をまとめたもの」とおっしゃっていたので、少々得心。だがやはりもっとやりようがあったのではないか、と思ってしまうことも確か。
 『記憶全景』(横田将士)はやはり面白かった。ヤングパースペクティブにてすでにレビュー済み。
 『グレート・ジャーニー』(橋本新)もヤングパースペクティブ以来二回目。クライマックスの一シーンだけはやはり良かったのですが、その他のシーンとのつながりが全然理解できず。中途半端なアニメートおよびデジタルでのズームはスタイルであるというよりも手抜きにしか見えず。
 『らしずむ』(平田茉衣)は和田淳作品を思い出しました。
 『BALANC』(田中惇司)は前述のデジタルの功罪関連でもっとも歯がゆく感じた作品。砂アニメーションで、生成とメタモルフォーゼの質感がすごく良く、随所で山村浩二『水棲』やイシュ・パテルの諸作品(ネット上で以前の作品も観てみましたが、完全にパテルですね)を思い出させるのだけれども……フィルムしかアニメーションを作る手段がなかった時代に制作されていたらもっと良い結果になったのでは、と思わざるをえず。ラストを実写にしちゃったのはどうしてでしょう。そういやこれもまた食物連鎖を扱ってました。
 『Pour l'amour de Dieu』(古市牧子)は、アニメーションではないのだけれども一番面白かったかもしれない。イタリアの教会で踊る男と、それを注意する老婆のいさかいを描くドキュメンタリー。二人は互いに「神への愛のために」、一方は踊り、他方はそれをやめさせようとする。男の踊りが止まらないのは果たして本気なのか悪ふざけなのか、それとも本気が悪ふざけにしか見えないのか。なんともいえない余韻を残す作品です。

明日、明後日も上映がありますので、是非行ってみてください。

土居

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