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        2008-04-30        ソビエトアニメ劇場 プログラムA

4月26日から5月16日まで吉祥寺バウスシアターで行われる「ソビエトアニメ劇場」、A、Bプログラムを観にいってきました。

とりあえずAの上映作品についてレポートしておきます。
Bはまた後日。

○プログラムA アニマル
・『キリン the giraffe』(1986、ラオ・ヘイドメッツ) 
日本のみなさんにはおそらく「国際アートアニメーションインデックスvol.4[Amazon]」に収録されている"Instinct[知られざるアニメーション]"でお馴染みのヘイドメッツ監督作品。彼は今年の広島の国際選考委員なので、おそらく広島でもいくつか作品が観られることになるでしょう。
エストニアのタリンフィルムの作品。動きのエコノミーがわかっていて、動かしすぎず、描きすぎず。スピード感と力感溢れるカメラワークが印象的で、音づくりもかなりのもの(80年代丸出しですが)。人形アニメーションの座談会で、『パニック・イン・ザ・ヴィレッジ』[Amazon]は唯一無二のポジションにある、的なことを言いましたが、いやいや、この作品の破天荒な展開も充分に『パニック』してます。物語の筋としては、街中で動物園(キリンだけしかいない)を開く男が、お客さんがこないのに悩み、機会仕掛けのキリンのオモチャで客引きしたところ、大注目。ライバルも現れて、オモチャの性能を上げていく勝負が始まり、いつしか街全体がキリンの流行一色に染まっていく……という、流れ自体は特に珍しいものでもなく、最近観たものではポヤルの『名声』と近いなと思ったのですが、キリンブームが到来するまでのキリン狂想曲のエスカレーションぶりがすさまじい作品でした。次から次へと少し狂ったようなデザインのキリンたちが登場し、すぐに捨てられていく。匿名の人々の動きは最初からちょっと狂ってる。加熱する人々を尻目に、本物のキリンは動物園の主人とキリンが好きな少女と共に、街を去って砂漠を歩いていくラスト……なんだかすごくかっこいいもののように思えて、やっぱりおかしい。どこ行くのよ?短篇の場合、無内容でも映像のリズムでかなり魅力的な作品ができあがるわけですが(この作品が無内容だと言っているのではありませんよ?)、この作品はそれをまさに体現しています。テーマ性は明快なのですが、そこからむしろ踏み外してやろうという意気込みを感じます。先日パルンについての座談会をやりましたが、既存の枠組みをあえて踏み越えてわけのわからないものにするというのがパルンの作風として挙げられるだろう、という話が出ました。この作品にもそれを感じて、パルンに限らないエストニア・アニメーションの魂のようなものなのかと思っていたのですが、クレジットをみると脚本とデザインにプリート・パルンの名前が……なるほどねえ。いやいや、なかなかの傑作です。

・『戦争 the war』(1987、リホ・ウント&ハルディ・ヴォルメル)
ヘイドメッツと同じく現在ではエストニアの立体アニメーションスタジオであるヌクフィルムに所属しているリホ・ウントとハルディ・ヴォルメルの共同監督作品。古びた水車小屋で繰り広げられる、カラスとネズミとの縄張り&食料争い……この作品も音が異様に冴えていて、やっぱりスタジオってすごいなあ、専門家ってすごいなあ、と思いました。カラスとネズミの造形はリアルであるようなそうでもないような絶妙なバランスを保っていて、擬人化されているようなされていないような演出をされていて、それがとても良い具合に作用して後半はかなり残酷なものとなっています。もう血みどろです。うぎゃーって感じです。ところどころに入る実写映像の挿入も冴えていて、まるで鈴木清順かと思いました。カラスとネズミの争いが終わると、それに続いて人間たちの戦争も始まり、廃墟と化し煙のなかに消えていく水車小屋の映像で作品は終わるのですが、このあまりに明快なテーマ性もまた、この数々のかっこいい映像がつくりたいがために後付けでつけたものなのではないか、と感じてしまうくらいでした。もしかしてこの調子で良い作品続きなのか!?

・『ハエとゴキブリ Spring Fly』(1986、リホ・ウント&ハルディ・ヴォルメル)
こちらはうってかわって会話劇。ただし登場人物はハエとゴキブリとクモ。最悪の組み合わせです。自分を取り巻く環境に翻弄されるハエ、それをたしなみ、自ら定めた「繁殖」という法に従い生活することに誇りを持つゴキブリ、そして彼ら二人よりもさらに自由に、「自分の意識」にのみ従い生きるクモ……自由意志が増えていくにしたがい、残虐さが増すと同時に存在としての強力さも増すわけですが、ラストに大どんでん返し。ハエとゴキブリを捕まえ、食おうとするクモとその巣は……またしても清順ばりのドラマチックな実写シーンで一気にひっくりかえるカタルシス。これもまた面白い作品だ……英語字幕ですので注意です。

・『雄牛 』(1984、ヴァルテル・ウースベルグ)
抜群に面白い作品ばかりのプログラムなんてそうないもので、ここらへんで小休止。でも決して悪い作品ではありません。奇妙なセル画作品。かわいい牛ちゃんはどんどん食べてどんどん大きくなってしまいにはすべてを……構造的にはとてもわかりやすい作品ですが、キャラクターがちょいキモで良いのでは。

・『穴熊と月』(1981、I・ダニロフ&G・キスタロフ)
びっくりしたんですが、この作品、ロシア語音声なんですけど、字幕も吹き替えもなし。しかも会話の占める比重がすごく大きい……僕はロシア語ちょっとわかるんでいいんですが。ご覧になるときは、チラシに書いてあるあらすじをしっかり読んでからにしましょう。そうすればだいたいわかります。モロに『霧のなかのハリネズミ』で、ちょっと笑ってしまいました。作品全体としては、毒にも薬にもならない印象。カザフフィルム。

・『コウノ鳥のキーチ』(1971、L.ドムニン)
これも字幕なし……チラシのあらすじもあまり的確ではないので、さすがにちゃんとはわかりませんでした。主人公の鳥は(たぶん)飛べなくて、そのかわりに知恵が働く。なので皆に頼られる。「助けてよキーチ!」でも、ある日、カラスたちに連れ去られていく女子の鳥を救えない。「助けて!」と叫ぶその女子をただ無力に見つめるだけ。彼女の残された子どもを代わりに懸命に育ててやり、子どもたちが飛べるようになったとき、キーチは彼らに助けられ、飛ぶことを覚える……もしかしたら正確でない理解かもしれませんが(チラシみなおしたらカラスじゃなくてワシって書いてありました)、だいたいこんな感じです。やり方次第で、もっと切ない気持ちにさせられたのではないかという惜しさばかりが残る作品でした。モルドワフィルム。

・『野原The Field』(1978、レイン・ラーマット)
・『猟師 A Hunter』(1976、レイン・ラーマット)
レイン・ラーマットの作品はとても苦手なので、僕は正しい評価ができないかもしれません。(他のも必ずしも正しくはないと思いますが。)すごく真面目な人なのはわかるのですが、他のエストニアものが、テーマ性をむしろないがしろにしてその偏差を楽しませるのに比べ、この人はほんとに直球でアプローチするので、どうも息苦しい。監督なので当たり前ですが、支配者としてふるまっているような印象があります。フルジャノフスキー作品に感じるものと同じかも……


土居

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