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        2009-09-27        10月のイベント

9月もなかなかでしたが、10月もいろいろとありますよ。

○公開中
「ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」 @ライズX
→なんだか昨日のトークのおかげでいろいろなところでニュースになりましたが(笑)、もうなんでもいいんでたくさんお客さん入ってください! そして『やせっぽちのバラード』もついでに買っていってください! (おもいっきりDONとスーパーモーニングでも紹介されるらしいです。ラーキンの映像もちょっとくらい流してくれるといいんですが……)

カナダ・アニメーション・フェスティバル NFB特集上映 @下北沢トリウッド 公開中(10/16まで) 
→NFBの現役プロデューサー、マーシー・ペイジと元マーケッター、エレーヌ・タンゲによる二回のティーチインに行ってきて、NFBの偉大さを改めて知った次第です。ほんとはそういうことについても書きたいんですけど、忙しくて……(涙) 今年のアヌシーでも評判だった作品も含んで名作揃いのセレクションになってます。全部制覇しましょう。

10/3(土) コンテンポラリー・アニメーション入門
→クリス・ヒントン&マルコム・サザランドを取り上げる今回のコンテンポラリー。カナダの抽象シーンを一望しますよ~ (今はもう定員オーバーになっているとの噂です……)

○ノルシュテイン来日2009関連
10/5(月)~24(土)ユーリー・ノルシュテイン『外套』原画展 @apmg(武蔵野美術大学)
10/5(月)ノルシュテイン講演会 最新作「外套」について語る @武蔵野美術大学第1講義室(1号館103教室)、第2講義室(1号館104教室)
10/7(水)ノルシュテイン、ゴーゴリを語る(仮) @エイゼンシュテイン・シネクラブ
10/10(土)ノルシュテイン講演会 なぜ『外套』をアニメーションにするのか @ジュンク堂池袋本店
→今回(3年ぶり)のノルシュテイン来日は、来年四月から県立神奈川美術館葉山館にて開催される大規模な『外套』展の準備のためだという噂ですが、都内いくつかの場所で講演があります。ムサビのギャラリーでは小さな展示もあるようです。ムサビの講演会は注意書きを見る限り、学外の人を受け入れてくれないわけではないようです。エイゼンシュテイン・シネクラブのはどうなんでしょうね……? ジュンク堂のものはもう定員オーバーだそうです。

○牧野貴
10/10(土)~16(金) 『The World』 爆音レイトショー
 ※10/10(土)オールナイト 
→アニメーションじゃないですけど、短編アニメーションの上映会に行っていると、同時に短編映画の世界にも触れることになるわけで、そして僕の浅い経験からいっても、牧野貴さんの作品が今の日本の実験映画界でずば抜けていることははっきりとわかります。爆音映画祭で二年連続上映されていますが、今回はなんと単独でレイトショー! これ結構画期的なことだと思います。牧野さんの作品は短編というメディアを活かした壮大なスケールを現出させます。途方もない凝縮力を持つ作品を作る方です。方向性は違いますが、ハーツフェルド"I'm so proud of you"と似たものを感じます。「メタファー」(文学的な意味ではなく、ノルシュテインや山村さんが言っている意味での)としてしか受け取らりようのない視覚体験を味わわせてくれます。短編アニメーションについて考えるうえで、いつも示唆を与えてくれる作家です。おすすめしておきます。オールナイトの方はほんとすごいですよ。No Fun Festが日本にやってくる!

10/10(土)~ チェコアニメ傑作選 @K's Cinema
→バルタの傑作『屋根裏のポムネンカ』公開記念関連企画として、チェコ・アニメーションの代表作が上映されます。やっぱり一年に一度くらいはチェコの圧倒的な技術力と包括力に触れないといけませんよ。

10/12(祝・月) 吉祥寺アニメーション映画祭
→入れわすれてました!



10/16(金)~19(月) INTO ANIMATION 5 @赤レンガ倉庫1号館
→日本アニメーション協会の恒例上映イベントです。どんな作品がやるのか、今はまだわかりませんが、ここにもまたカナダ特集があります。今年はすごいですね~ ……しかし、僕はこのときちょうど本場の方に行ってしまっているので、行けません……どなたか代わりにレポートしてください。

10/22(木), 24(土) 東京国際映画祭 ワールドシネマ部門『メアリーとマックス』 @TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
アヌシーでレポートしましたけど、アダム・エリオット初長編、アヌシー・クリスタル受賞の『メアリーとマックス』が日本初上映です。この作品は出来る限り多くの方に観てほしいと思ってます。チケット一般発売は10月3日です。

10/22(木)~25(日) 大山慶のアニメーション @UPLINK FACTORY
→東京国際映画祭の裏でひっそりと、大山慶の回顧上映+αがあります。以前のエントリで書いたように、『HAND SOAP』は素晴らしい作品です。ask映像祭より良い環境で観られると思いますので、お見逃しなきよう。これぞ現代のアニメーションだと思います。毎日のゲストも豪華です。22日:黒坂圭太、23日:山村浩二、24日:鈴木卓爾、25日:和田淳&道川真人&土居伸彰。あ、最終日は雑多なだけで豪華じゃないですね……

10/28(水)29(木) 国際アニメーションデー @座・高円寺
→国際アニメーション協会(ASIFA)は1892年のエミール・レイノーによるテアトル・オプティークの公開を世界初のアニメーションとみなしています。10月28日はその記念日で、「国際アニメーションデー」と題して世界各地でアニメーション上映が行われていますが、今年はそれが東京でも開催されます。上映作品の詳細はまだ不明ですが、過去の広島傑作選などがありそうなので、必見です。昼からですから丸一日予定をあけといてください。
→開催日に誤りがありましたので訂正させていただきます。お詫び申し上げます。(9/29)

10/31(土) ヨコハマ国際映像際 @新港ピア&BankART Studio NYK
→「映画」でなくて「映像」。最近のトレンドです。恵比寿映像際に続いて新しい映像祭が横浜に誕生です。これも上映パートがどうなるのかわかりませんが、アニメーションのプログラムがありそうだという噂をききました。ちなみに、先日すでに結果発表済みのコンペでは、大山慶『HAND SOAP』が優秀賞を受賞しています。

また他にも判明しましたら、追記します。

あ、そうだ、シネマ・アンジェリカで開催中のケベック映画祭にて、「ケベック短編アニメ集」というプログラムがあります。しかもなぜか以前インタビューを掲載したユーリャ・アロノワの『エスキモー』が入っているようです。なぜでしょう。でも2008年って書いてあるんですよね。アロノワの『エスキモー』は2004年のはず。監督名も違ってるし・・・・・でもスチルは間違いなくアロノワのだし……謎です。今度確認してきます。

最後に「大山慶のアニメーション」の予告編を貼っておきます。



土居
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        2009-09-27        うーん……

10月6日から、「チェブラーシカ あれれ?」だそうです。
うーん……

土居

        2009-09-24        フィル・ムロイ新作長編Mirrorland予告編が衝撃の展開

第一回のコンテンポラリー・アニメーション入門で取り上げられたフィル・ムロイですが、
『クリスティーズ』に続きなんとまたしても長編を制作中なのだそうです。

先日オタワのプログラムが発表されて、ドイツのフィルムビルダー・スタジオ特集のメンツをチェックしたところ、Mirrorland (Phil Mulloy) 2008と書いてあったわけです。新作の短編なのかな? でも2008年製作だったらどこかにフェスにひっかかっていないとおかしいよな、と思って検索をかけてみたところ、制作中の長編の予告編であることがわかりました。



びっくりしたでしょ? キャラクター造形が普通なんですもの……
途中まで、本編の動画に入る前の広告映像かと思ってました。
たしかに、フィル・ムロイのキャラクターが中に入っていそうな骨格はしています。
でもびっくりです。
しかし、タイトルはMirrorland。『イントレランス』のテーマと共通しています。
うまくやればマスへと侵入しうるこの絵柄で、いつも通り骨太にやってもらいたいものです。
(僕のフィル・ムロイ論『フィル・ムロイの魔法の鏡』のアップはもうちょっと待ってください……)

土居

        2009-09-22        ヤバいイベント@スイス

ヤバいイベントが12月のスイスであります。
学生アニメーション界でも有名なルツェルン大学が、
オットー・アルダーのディレクションのもと、
理論的ディベートを目的としたアニメーションに関するシンポジウムを開催するんです。

http://www.liaa.hslu.ch/

そのスピーカー陣がすごい……
ちょっと抜粋してみましょう。

Animation and Poetry
Yuri Norstein, Moscow


Mise en Scène as an Element of Narration
Brothers Quay, London

Dramaturgy in “Hedgehog in the Fog”
Yuri Norstein, Moscow

How to construct a Story – from Idea to Screenplay
Priit Pärn, Tallinn


Selected Films by Igor Kovalyov sta12
Introduction by Igor Kovalyov, Los Angeles

Geneva Dramaturgies A Selection of Animated Works by Georges Schwizgebel

Role and Function of Music and Sound in Animation
Normand Roger, Montreal

Specifics of Storytelling / Dramaturgy in Animation
Gil Alkabetz, Stuttgart and Jerzy Kucia, Krakow

Rhythm and Timing in Animation
Igor Kovalyov, Los Angeles


これは見逃したくない……

土居

        2009-09-20        ライアン・ラーキン初日

ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」、ついに劇場公開が始まりました。配給の方によれば、初日のお客さんの入りはかなり上々だったらしく、公開期間も伸びそうだとのこと。嬉しいです。トークのあった最終回は早い段階で売り切れてしまい、入れなかった方もいたそうです。(せっかく来ていただいたのにすいません。)

トーク自体ですが、どうだったでしょうか? あんなに早口だったくせに、用意してきたネタをほとんど消化しきれずに終わってしまいました(笑)。(山村さんも同様だったようです。)ラーキン作品の見方に広がりが出るようなものになっていたとしたら幸いです。

トーク前、劇場近くのリブロ渋谷店にて、クリス・ロビンソン『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』[Amazon]が売られているのを確認しました。ホリエモン&ひろゆきの本と中村俊輔の本に囲まれて、なんだか奇妙な気分になりました。リアル本屋というのはこういった面白いモンタージュをみせてくれるからいいですね。青山ブックセンター六本木店と三省堂神保町本店も確認しにいかなきゃ……一般の書店に並ぶのは25日頃でしょうか。

libro

劇場ではもちろんすでに購入可能です。
パンフレット、『アニメーションの映画学』と並んで売っています。
ほんとにラーキンについてたくさん書いたなあ……

そういえば今回のパンフレットですが、デザインがすごくいいんです。
現物を受け取ったとき、ものすごく感動してしまいました。
内容もぎっしりです。これが700円は安い!(自画自賛)
きっと買って手元に置いておきたくなるに違いありませんよ。

そういえば僕自身もまだ劇場では観ていないのですよね。
早く観にいきたいものです……

カナダ・アニメーション・フェスティバルと一緒に楽しみましょう!

土居

        2009-09-18        明日「ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」初日&ライズXにてトーク

ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」、いよいよ明日公開です。
19:40の回終了後、山村浩二さんとともにトークさせてもらいます。

2007年2月14日のライアン・ラーキン死去のニュース以来、Animationsの座談会『アニメーションの映画学』[Amazon]、今回の劇場公開用パンフレット、そして、クリス・ロビンソン『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』[Amazon]と、個人的にラーキン尽くしでした。
今回の劇場公開は、その総決算という感じです。
奇妙な感慨が胸に湧いてきました。

DVDでひとりスクリーンに向かい合うのではなく、
映画館という空間で、ライアン・ラーキンを「体験」してください。
きっと特別な経験になるはずです。

それでは明日、映画館でお待ちしております。

土居

        2009-09-17        『メアリー・アンド・マックス』日本上映!!

10月17日から始まる東京国際映画祭のワールド・シネマ部門にて、
今年のアヌシークリスタル受賞(長編部門)のアダム・エリオット『メアリー・アンド・マックス』が上映されます!!!
日本初上陸!!!

10/22 14:25 - 15:59 (開場14:05)
10/24 11:10 - 12:44 (開場10:50)
会場はともにTOHOシネマズ六本木です。

当然日本語字幕つきでしょうし、絶対に観ましょう。
傑作ですから。
『カールおじさん』よりも『よなよなペンギン』よりも、
東京国際映画祭ではまずはこっちを!

東京国際映画祭『メアリー・アンド・マックス』

共催企画のひとつ、みなと上映会でもいくつか短編アニメーションがやるようです。

この時期、ほかにもいろいろと重なりすぎです。
オタワに行っててみれないのがいくつかある……

土居

        2009-09-16        いよいよ週末ライアン・ラーキン上映&出版

ballad1

いよいよ今週土曜日19日から渋谷ライズXにてライアン・ラーキンの全作上映(遺作含む)が始まります。楽しみですね! 

そして、以前のエントリでもお伝えしつづけていますが、クリス・ロビンソンによるラーキン本『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』[Amazon]も劇場にて先行発売されます。

映画館以外でも、コーナーを作っていただけるLIBRO渋谷店青山ブックセンター六本木店三省堂書店神保町本店にて19日から販売されるようです。

一般の発売日は26日です。

本日、完成ほやほやの現物を受け取ってきました。
クリス・ロビンソンの文章は僕を常に勇気づけてくれますから、
初めての翻訳の仕事が彼の本であるというのは非常に感慨深いです。

Animationsの読者のみなさま、是非とも劇場に足を運んでいただいて、
さらに『やせっぽちのバラード』にも手を伸ばしていただければと思います。

奇跡的なこの機会を一緒に盛り上げていきましょう!

とりあえず、初日のトークにてお待ちしております。
公式ブログでもお知らせされていますが、もうすでにチケットは購入可能なようです。
小さな劇場ですので、不安な方はお早めにどうぞ!

土居

        2009-09-15        新企画をアップしました&ICAF最終日

長らく更新をサボってしまっていた本ホームページですが、約二ヶ月ぶりに新規コンテンツをアップしました。新企画「アニメーションを伝える人」が始まります。第一回目のゲストはジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント・ジャパンの井出美恵さん。Animationsの読者のみなさんのDVDラックを埋めているはずの「ニュー・アニメーション・アニメーション」シリーズについてお話ししていただきました。今後も次々とゲストをお迎えして、アニメーションについて多角的にアプローチしていくつもりです。とりあえず、Talkセクションへどうぞ!

ウロ・ピッコフのインタビューのアップも控えてます!
アヌシーレポのアップも控えてます!
(『外套』並のアップします詐欺になりつつありますが、オタワまでには……)
コンテンポラリーアニメーション入門第一回の配布資料でお配りしたムロイ論も修正したうえでアップする予定です。(第二回、定員オーバーまであとほんと少しだけなんで、参加希望の方はお早めに!)

そっちの作業を早くやれよと言う声が聞こえてきそうですが、ホヤホヤしたものをホヤホヤしたうちに書いておきます。ICAF最終日、午前中だけですが行ってきました。収穫もちらほら。

まずはヨーロッパの若手デジタル系作家の祭典Les e・magiciensのベスト集から。最初の6本が映像的に(そこそこ)出来が良いばかりにあまりに退屈でどうしようかと思いましたが、それでも二、三本、面白いのがありました。Quidam Degomme(Remy Schaepman)は、毎日同じことが繰り返される灰色の日々に突如として侵入してきた異質なものによって、日常が塗り替えられていくお話。他愛もない作品といえばそうなのですが、狂ってるのと灰色の日常のどっちがいいの?っていう話はなかなか皮肉でいいと思いました。「屋根の上の羊」という題名ですが、彼の退場シーンが素敵です。Copy City(Denise Hauser)はコピー機を直接的メタファー(そんな言葉はないですけど)に用いた現代社会考察といった趣きの作品。コピーをずっと続けていると、いつしかその像は消えてしまうように……いかにもRCA作品です。良い意味で。Le Corso(Bertrand Dezoteux)には少々興奮させられました。生粋のアニメーション作家ではまったくなく、どちらかというと現代美術寄りの方のようですが、プレイステーション時代の3Dゲームを思わせるような粗い質感のだだっぴろい広野の向こうから動物の群れが走ってくる冒頭のシーンの運動感に興奮させられました。その後しばらく走り回り、草を喰らい、なぜかぐるぐる回るなど、意味はないが秩序のある運動が続いた後、アホらしい展開になっていきます。CGを用いつつも、過去の遺物となっているモードにその使用を留めることで逆にクソリアリズムから離れ、ある種のスタイルを獲得することができています。終盤の異形のものたちの大行進、適当さだけで成り立つ世界、とても気持ちが落ち着きました。ここでようやくすっきりしました。変なこじつけで成り立つことが多い3DCG作品の後にこういった完全なるナンセンス(しかし道理は通っている)を目の当たりにすると、マッサージ効果があることがわかりました。ありがとうございました。もうちょっとまじめな話をすれば、あえて8bit機のグラフィックを用いている傑作Please Say Something同様、CGアニメーションが昔のゲームの映像スタイルを採用していくのは自然なことなのかなと思います。(これからの短編アニメーション界は、アニメーションの正統な伝統だけから考えてはとても理解しえないような雑多さをどんどんと獲得していくことでしょう。)


次はプチョン国際学生アニメーションフェスティバル(PISAF)の受賞作品集。すごくつまらない作品と結構尖ってて面白い作品が同居しがちな傾向があるこのプログラムですが、今回もまた然り。当然ですが後者だけ取り上げます。Rabbit Punch(Kristian Andrews)はアヌシーの学生部門で観たときに鮮烈な印象を残してくれた作品でした。昨日、日本の学生作品に尖ったものがあまりないという話をしましたが、この作品は若者ならではの世界との衝突・軋みだけで出来ています。何も起こらない田舎の平凡な日常に飽き飽きしている二人組の少年が、仮想の暴力性や仮想のアナーキスト的行為にふける様子が様々なエピソードを交えて語られていきます。そして、劇的なものではないですが、とても大きな出来事が起こります。(最初から起こっているんですが。)少年たちに貼り付いていたカメラが、ふと離れるときのあのゾクッとした感じ……たまりません。涙がでます。技術的に拙いところはあれど、伝わってくるものがビンビンにある良作です。もう一本はLook Around(Lee Lyu-Tae)。なぜ新石器時代?という疑問は最初から最後まで消えなかったのですが、作品の中身自体は普遍的な人間性について。絵柄のせいか『ウシニチ』のラストを思い出させるような豪快な視点移動を用いつつ、描くのはその逆のバッドエンド。Look Aroundできなかった男の悲しい物語に涙です。

そして、「我々人類はいつまでOktapodiを観なければならないのか」という普遍的命題を残して、今年の僕のICAFは終わりました。

週末からはカナダです。
カナダ・アニメーション・フェスティバルもありますが、ライアン・ラーキンもよろしく!


土居

        2009-09-14        2008-2009に目立つものについて事後的に、そしてICAFについても少々

2008年から2009年にかけて制作された作品で、僕の心にガシッと刻まれたものの特徴について考えてみました。時代の流れに完全に身を委ねるのではなく、その流れに少しでも棹さすようなものです。キーワードは2つ、シンプルさの復権(あえて制限を設けること)と断片性です。

今年僕が熱をこめて書いたことがある作品は、Please Say Something(David O'reiley)、『HAND SOAP』(大山慶)、I'm so proud of you(Don Hertzfeldt)です。そこにさらに、たくさん書いてはいなけれど印象深いものはDialogos(Ulo Pikkov)とMadagascar, Carnet de Voyage(Bastien Dubois)と挙げられます。どれも単線的な語りを採用していません。すべての作品が小エピソードに分割されたものの集積です。Madagascarはスケッチブックの体裁をとっているので別ですが、その他の作品については、作品の全体像の想起が観客に委ねられます。

シンプルさへの回帰という点でいえば、Please Say Something, I'm so proud of you, Dialogosが挙げられます。作家自身が、自らに制限を加えたことを明言しています。

僕のなかでは両者は共通しています。「メタファー」としてのアニメーションの性質を再発見しているということです。想像や妄想をリテラルに映像化することで、実際には平凡な実写と同じものとなってしまっているように思える大多数の作品は、最近の僕の気分から言えば、アニメーションらしいアニメーションであるとは感じられません。(その方向性の究極が、もはやアニメーションであるかどうかは問題にならない『ウォーリー』です。その真逆が、『ポムネンカ』です。)インクがインクとしてそして同時にインクとしてだけではなく、エンピツの線がエンピツの線としてそして同時にエンピツの線としてだけではなく、「メタファー」として変容する契機を滾らせている作品。(ノルシュテイン氏や山村浩二さんがよく「メタファー」という話をしています。)そんな錯覚を観客の方に創造的に喚起させる作品に、僕はどうもビンビンに感じてしまうようです。
それはさらに飛躍して、外部へと無限に開かれたアニメーションというあり方でもあるように思えます。(広島コンペレビューのときにDialogosについて書いたことを参照してください。作品はきちんとそれ自身で世界を構築する。しかし、その構築された世界をつうじて、その外部の世界の知覚が無限に広がっていく、「突き抜ける」作品です。)

仮説ですが、現代的なアニメーションとして肯定されるべきなのは、外部へと作品自体がそして観客が開かれていくような作品なんじゃないかと思っています。

抽象的な話で申し訳ないですが、感覚的にでもわかっていただければ幸いです。

(ドキュメンタリー・アニメーションの話や、ブラックなリズムが基礎となる身体性の喚起が強い作品の話は以前しましたので今日は割愛です。)

こういった観点からすると、やはりICAFで上映された作品の大多数は、圧倒的に閉じていると思います。(日曜日のプログラムしか観れていないので、それだけで判断した話です。すいません。)アニメーションであることに流されていると思います。学生作品なんだから別にいいんですけど、やはり少々悲しい気がします。今日なんか300人近くお客さんが入っていたというのに、なんだかもったいないです。
土曜日のシンポジウムで吉良敬三さんがおっしゃっていた、「世界とまろやかな関係性を結んでいる作品が多い気がした」という言葉が思い出されます。確かに、そんな関係性を結べるのであればそれ以上に嬉しいことはないでしょう。でも、突き詰めて考えてみれば、世界との間に齟齬が起きざるをえないのが本当のところなのではないでしょうか。(ハンター・トンプソンのエッセイ集で、「息子が窓ガラスを割って困る」という相談を受けたトンプソンが、「窓ガラスでも割らないとやってられない世の中なんだから至極正常」というような返答をしていたことを思い出します。)

若い人による、戦うアニメーションがもっと観たいものです。
(60を超えたパルンが『ガブリエラ』でいまだに継続していることをみせてくれたものです。)

そんな話をしつつ、今日のICAFで印象に残った作品についていくつか挙げておきます。どれもなんらかのかたちで葛藤の痕跡を残しているものばかりです。

多摩美でいえば、『アニマルダンス』(大川原亮)は、『オーケストラ』の「お」三人組の一人の卒業制作ですが、これまでデジスタやYou Tubeで観たのと今回とではかなり印象が違いました。画面へと視線(そして視線を通じた身体)をググッと引きつけていく強度を持っています。観客は必然的に、生命の持つリズムや強度を作品と一緒に共有していくことになるでしょう。作者の方の過去の作品をつい最近観させていただく機会があったのですが、実に様々な過去のアニメーションの巨匠の作品が持つ感覚を吸収していることに驚きました。あ、これはあの人だ、あ、今度はこの人だ、というのを感じるのです。しかしこれは一寸たりとも悪口ではありません。元ネタ発見でもありません。自分の声を発するために、アニメーションの過去の遺産・スタイルを飲み込んでいく、そんなプロセスを感じることができるということです。もう一段階進化したとき、一体何が生まれるのか楽しみです。もしかしたら、山村浩二さんの正統な嫡出子は彼なのかもしれません。あくまで予感ですが。

ムサビは全体的に水準が高かったです。『Pencil』(牛腸卓人)や『80's ガール』(獄野甲子郎)の割り切り方には感心させられましたし、『目覚め』(徳井伸哉)と『アトミック・ワールド』(今津良樹)の質感は未知のものでした。(ただ、後者二作に関しては、素晴らしい冒頭以降は非常に説明的になって作品のもつ勢いが死んでいたのが残念なところです。)

東京造形大学は、アニメーションで表現するということに対して意識的な作品が多かったように思います。つまり、アニメーションというメディアとの葛藤です。初期アニメーションのせっかちさと慌ただしさを現代に蘇らせた『パーフェクトチャンス』(北澤知世)やアニメーションを「絵」として割り切って魅せる『河井ゆう美』(河井ゆう美)もなかなかよかったですが、お見事だと思ったのは『はらぺこねこねこ』(関根冬威・八木貴也)でした。一見、単なる歌ものギャグに思えるのですが、アニメーションだけではなく止め絵で効果的にみせる術をきちんと心得ていて、カット割りや反復と非反復、裏切りを交えた展開も見事。質の高いエンターテインメント作品が今後また生まれてくる予感を感じました。変な話ですが、『ポムネンカ』を観たとき同様の、アニメーションのメタファー力のようなものをビンビンと感じました。アニメーションをみたなあ、と。ラストの「八時だよ全員集合」的破壊のせいかもしれません。

工芸でいえば、『向ヶ丘千里はただ見つめていたのであった』(植草航)については以前書きましたが、これは非常に青春だと改めて思った次第です。冒頭とラストに凝縮される躁鬱ハイロー感はとてもゴージャスに「アニメーション」しています。流れゆく時間への抵抗です。最終的には負けてしまうんですが、それでいいんです。

原石や進行中のプロセスを発見できたとき、ICAFは非常に面白いです。

土居

        2009-09-13        さらにDon Hertzfeldt "I'm so proud of you" (2008)について

Don Hertzfeldtの"I'm so proud of you"、到着以来毎日二、三回観ています。まったく飽きません。毎回泣きます。違うところで。しゃくりあげます。一人でいるときに思い出してしまうとやばいです。今日もICAFのシンポジウムのときに危なかった。

本当に革新的な作品だと思います。これが革新だとみなされていない(ように思える)ところに、アニメーションに対する古ぼけた固定観念が支配的なんじゃないかという問題点を感じます。(短編アニメーション界はどんな表現だって許容するはずなのに!!)

世界でもっともシンプルで、もっとも美しく、もっとも壮大なスケールの短編アニメーションかもしれません。(音響構築やスプリット・スクリーンの使用といったことをふまえれば、もっともゴージャスと言ってもいいんですけど。)

内容のことを忘れて、形式だけに注目してみても、この作品の革新性はよくわかります。

何が革新的かといえば、マクラレンやクルメ並に、観客の知覚に対して実験的にふるまっていながら、紛れもなく物語を語っているということです。知覚実験的アニメーションがどうしても抜け出せない、ひとつのアイディアを純粋に映像化するような構造ではないのです。短編アニメーションでなければ不可能なやり方で、語っているのです。構造的に似ているのは、『話の話』と『HAND SOAP』でしょう。もしくは、もっと崩したかたちでの『反復』。つまり、断片をモンタージュして想像的に総体を創出する語り方です。

実に驚かされるのが、彼の代名詞であるマッチ棒型キャラクターが、適切に「機能」していることです。ハーツフェルドは、アイディアや自分のグラフィック世界をスクリーン上にリテラルに定着させるようなかたちではアニメーションをつくりません。そのかわり、観客が的確に「想像」できるようにする最低限のマナーを心得たうえで、画面をつくります。『人生の意味』からはじまったこの新しいタイプのアニメートの仕方(アニメーション自体のゴージャスさを捨て、「機能させるもの」として捉える考え方です。アニメートの作業自体に対してかなり距離を取った考え方なので、人によっては美学的方向性の相違から拒否反応を起こすことでしょう。)は、今作で完成したように思います。実写だってなんだって、取り込んでしまえるのです。(今作では「古い写真」が登場するのですが、その表現の仕方ったら……古い写真以外にみえないですからね。これもまたアニメーションの醍醐味ではないでしょうか。)

今回の作品では、エンピツの素材感をうまく利用しています。今まではただ単に線を描くための道具だったのですが、今作では消しゴムで消した感じや、微妙な陰影を意識的に用いることで、観客側のイメージ喚起能力をかなり高めます。

シンプルな描線はすべてを凝縮します。ノルシュテインが『話の話』の「永遠」というエピソードで利用した原理です。アニメーションの特質それ自体が、作品のもつ世界観と有機的に響きあった特異な例です。"I'm so proud of you"はその二つ目の例です。『2001年宇宙の旅』経由で、最終的にニーチェにまで辿り着きます。

基本的にはナレーションが物語を駆動しますが、ところどころで書き文字として画面上に起こされ、それが実に効果的に観客に印象づけます。(逆に言うと、英語圏以外の人間にとってそれはマイナスになるわけですが。)

これほどまでにきれいな光の表現も最近のアニメーションには観られませんでした。フィルムだからこそ可能なものです。それがラストでは本当に適切に機能するんだよなあ……

2分弱にわたる「長回し」。あのシーンが与えるどうしようもない切なさはなんなのでしょうか? 切なさ、悲しさ、おかしみ、そういったものを直接的に描くのではなく、そういったものを含有したエピソードを適切に選んでくるやり方を、この作品は採用しています。そしてそれが、的確に機能しています。

総合的に言って、作品がまったく閉じていないというところが凄まじいです。この作品は、作品自体が物理的に提示しているあらゆるもののその外部を喚起させます。(言ってることわかるでしょうか。すごくわかりにくいかも。)

人間の想像力を無限に解放するポテンシャルをもった作品です。ディズニーといろんな意味で正反対です。僕はいろいろなことを思い出しました。生まれる前のユートピア的世界ではなく、本当にあったことを。覚えていると生きていくのがつらいので忘れてしまう、残酷なこともいろいろとたくさん。

ここで購入できます。買って、日本からもドンくんを祝福しましょう。

ナレーションがわからなくても問題ないですって。むしろ、繰り返し観て、わかっていくたびに、どんどん良くなっていくんですよ。わからないことがあったら、DVDのパッケージを手にして(買ったことの証明)、僕に訊いてください。わかる範囲でお教えします。

でもきっと、僕の言葉だけじゃ信用できませんよね。日本じゃおそらく一、二回くらいしか彼の作品は上映されていないし……せめて予告編だけでもどこかにアップされていればなあ。

(第一章のeverything will be okのはありますよ。検索すりゃすぐです。少しでもグッときた方は買ってみてください。損はしません。)

土居

        2009-09-10        Don Hertzfeldt, "I'm So Proud of You" (2008)について

最初に大げさな話をしておくと、なんで頼まれもしないのに(最近は頼まれることもあって嬉しいですが)アニメーションについていろいろと書いているかといえば、それは何よりも自分が物事について考えたいからであって、僕自身にとってその端緒となったのがノルシュテインの『話の話』だったから、ということです。だからぶっちゃけたことを言えば「アニメーション界のために」とかそんなことについてはあまり直接的に考えることはないんです。こんなにすごくてこんなに切実な作品があるのに全然話題になっていないのはどういうことだ?というところから、アニメーション界のことについて考えるところに辿り着くというのが正しい順序です。自分が感じた興奮をみなさんにも共有してもらいたいというエゴまるだしの欲望こそが、根本にあるわけです。

そういった立ち位置からアニメーションに対してアプローチしている人間ですから、人類がおそらくはるか昔から切実な問題として考えつづけている普遍性のあるテーマに対して、ある種の必然性を備えて、現代性とオリジナリティを携えてぶつかっているような作品と出会うと、それはもう本当に嬉しいです。アニメーションにおいてそういう作品が作られていることを知ると、アニメーションというメディアには現代的な可能性が存分にあるのだと改めて気付かされます。

前置きが長くなりましたが、ドン・ハーツフェルドの新作、"I'm So Proud of You"のシングルDVDが届きました。(タイトルを日本語で訳してみると、軽いネタバレになってしまうので、白で書いておきます――私はあなたのことを誇りに思っていますからね

とりあえず二回観ましたが、はっきりいって途方もない衝撃で、心がぐちゃぐちゃになって、秩序を取り戻してくれないので、作品自体についてはちゃんと書けません。はっと息を呑み、頭を抱えました。この22分の作品、これまで以上にナレーションの量が多く、語りのスピードも速いので、ネイティブでない人にとっては、一回や二回で理解するのは相当難しいかもしれません。エピソードも断片的でいろいろと混じりあっています。

"I'm So Proud of You"はビルという平凡な男を主人公とした三部作の第二章です。第一章である"everything will be ok"は、大病に冒されたビルの日常の破壊と再生の物語でした。第二章は厳密にその続編で、病気から回復したあとのビルの日常生活の話と並行して(混じりあって)、ビルの(ある意味で)「呪われた」家系が想起されていきます。

この作品ではっきりとしたことがあります。ハーツフェルドは、人間であることに埋め込まれてしまって逃れることができない運命や必然性をテーマに作品を作っています。"Billy's Balloon"から一気に表面上に浮きだしてきたテーマです。

クリス・ロビンソンはこの作品をオタワで観て、フェスティバル・ディレクターであるにも関わらず、コンペ後のパーティーに参加せずホテルの部屋にこもってしまったそうです。「とにかくひとりになる必要があった」と。それが正当な反応だったということを、作品を実際に観てようやく実感できました。人間であることによって逃れることができなくなる運命のひとつ、人間は本質的に一人であるということを、この作品は大きなテーマとするからです。

運命の一つ、死の匂いも強く漂います。実際、この作品は死の連鎖で彩られます。恐ろしいほどの強烈な力です。時間の話も出てきます。「すべては一瞬で起こっていて、時間軸の一直線上に並んでいるこの順番は偶然でしかないんじゃないか」という物理学の本で読んだ仮説を、ビルは語ります。それならば本当はあらゆる時間に属する光景は一挙に訪れているはずで、その様子は、アニメーションであれば表現できます。特にハーツフェルドのスプリットスクリーンのやり方とは非常に相性がいいでしょう。(そういえば、過去、現在、未来、時間軸上にあるすべてが一挙に飛来する場所というのは、夢であり、死ぬ前の走馬灯なんじゃないでしょうか。そのどちらもが、今回の作品では重要になってきます。いつも以上に充実しているDVDの「おまけ」パートをみるに、第三章は、ビルが死ぬ前に体験する走馬灯の世界になるんじゃないかと思ってしまいます。そこで彼はあらゆる時間に出会うのではないでしょうか。)

脳に病気を負ってしまう男を主人公としながら、彼の体験する内的世界の変容が、大多数の健康なひとたちにとっても切実なものとして響くのは、人間が本質的に、世界をそれぞれ勝手にメタファーとして変容させて理解し生きているからではないでしょうか。それこそアニメーションを作るようにして、人間それぞれが、それぞれの内的世界に生きているからはないでしょうか。

アニメーションは、そういった内的世界が持つ真実性の感覚を、具体的にかたちにして提示することができます。前作以上に内的世界へとずぶりと沈み込んでいく"I'm So Proud of You"は、アニメーションのそんな性質がなければ決して成立しえない、極めてアニメーションらしいアニメーション作品です。

この作品の基本的なトーンは、すべては決まっているんじゃないかという想像力が付随させる、残酷さです。残酷な運命を知るとき、世界のすべては残酷さで貫かれているように思えてしまうでしょう。でも逆に、世界が穏やかな面持ちをみせるときには、世界がふりかざす運命は穏やかなものとして感じられることにもなるでしょう。この作品には、そちらの側面もあります。

"I'm So Proud of You"は、アニメーションってなんなのだろうという問いに対するひとつの思考過程を開示してくれるとともに、生きることってなんなのだろう、この世界ってなんなのだろう、という問いに対しても、ひとつの考え方を示してくれる作品です。

荒れた文章で、断片的になってしまいました。

とりあえず、観てみてください。
(伝統的なアニメーションフェスティバルではあまり歓待されていない作家なので、
広島で観れるかどうかは怪しいですよ。)

DVDは公式ホームページにて購入可能です。
今ならORANGEといれれば10%オフになるようです。

土居

        2009-09-08        クリス・ロビンソン『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』


chrisryan

クリス・ロビンソン『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』[Amazon]

以前から何度かこのブログでもお伝えしていますし、ここここここでも告知いただいているのですが、9月19日から渋谷のライズXにて上映が始まる「ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」の公開にあわせて、オタワ国際アニメーションフェスティバルのディレクターにして、短編アニメーション界の語り部であるクリス・ロビンソンによるラーキン本の邦訳が発売されます。

この本、ただのラーキンの伝記本ではありません。
『ウォーキング』、『ストリート・ミュージック』という二大傑作を若くして発表し、将来有望な天才アニメーション作家とみなされながら、ドラッグとアルコールによってアニメーション界から去ってしまったライアン・ラーキンと、路上生活を送るラーキンを「発見」し、アニメーション界の表舞台に再び引きずり出してしまったクリス・ロビンソンとの魂の交流記です。

この本を読むことで、もちろんラーキン自身の人生を知ることができます。
しかしそれ以上に、一夜限りの行きずりの関係で生まれ、両親からの愛を受けることができなかったクリス・ロビンソンという一人の男が、人生において救い主を求め、その夢に敗れ、落ち込み、それでも最後には一縷の希望の光を見いだすという、優れたノンフィクションでもあります。訳者である僕が言うのもなんですが、読み物としてとても面白いものだと思います。感情を揺さぶられる本です。

カバーイラストは、山村浩二さんに描いていただきました。
クリス・ロビンソンは、この絵をみて、「天国にいるライアンみたいだ」と言っていました。
本書の内容を一通り読んだ後に、再びこの表紙イラストに戻ってみると、
なんだか名状し難い感情が襲ってくると思います。

発売日は9月27日ですが、劇場では公開の始まる19日から先行して販売できる予定です。
(ちなみに、19日の最終回後には、山村浩二さんとともにトークをやらせていただくことになっています。いろいろとぶっちゃけた話をしたいと思います。)
一刻も速く読みたい!という方は、公開したら速攻で劇場においでください。

そうでないかたは、アマゾンでポチッと予約などして待ってみるのも一興かもしれません。

クリス・ロビンソン『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』[Amazon]

土居

        2009-09-05        コンテンポラリーアニメーション入門 第二回 受付開始 +α

Animationsとして協力させていただいている「コンテンポラリー・アニメーション入門」。
フィル・ムロイについての第一回は、好評のうちに終わらせることができました。
9月5日から第二回の参加申込が始まっています。
前回は定員オーバーでお断りしてしまった方々も出てしまいました。
早めのお申し込みを!

マクラレンの新しい後継者、クリス・ヒントンとマルコム・サザーランド

ヒントンとサザーランドを中心とした、カナダの抽象作品の系譜についての内容になるはずです。
僕も前回同様、配布資料の作成などにて手伝わさせていただきます。
アニメーションとは何ぞや、ということに対するひとつのシンプルな解答がみえてくるような、そんな面白い講座になると思いますよ!

今月は大変です。
昨日から東京藝術大学の学園祭で「藝大 Short Film Fes」が開催されています。
明日(5日)は山村浩二さんをはじめとする方々のトークもありますね。
来週金曜(11日)からはICAFもあります。
その次の週末(19日)からはトリウッドにて恒例のカナダ・アニメーション・フェスティバルの特集上映が始まります。
その一環として、NFBプロデューサーなどによる藝大プロデューサー論でのティーチイン(21日)、国際シンポジウム(24日)、京都での特集イベント(25日~27日)もあります。
19日、20日には、大井町のFIELDというところで、「酒場の映像祭」というものがあるそうです。メンツはなかなかなものです。

いやいや、19日からといえば、「ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」もありますよね。初日最終回後に山村浩二さんとトークします。公式ブログでも、太郎次郎社ホームページでも、あとはたとえばAmazonとかでも情報が出ましたが、クリス・ロビンソンのラーキン本『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』の邦訳も、劇場では先行発売される予定です。買ってください……読み物として単純に面白いです……
ラーキン劇場公開、他の日のトークも、メンツが個性的ですよね……!

その次の週末はちょっと休憩、という感じでしょうが、
10月に入ると、またいろいろとありますね。下旬頃にまたお知らせしますが、
10月入ってすぐに、先日お知らせしたノルシュテイン関連以外にも、いろいろあるらしいですよ……?

その筆頭がコンテンポラリーアニメーション入門(10/3)なわけですが。

そのイベント続きの最中に、僕はオタワの方に行ってきますけど。
ドン・ハーツフェルドの回顧上映をフィルムで観るのが目的です。
新作"I'm So Proud of You"のDVDが発売されましたが、
僕のところにはまだ届きません。
毎日どきどきしながら待っています。

土居

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