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        2009-06-24        公開講座「馬車道エッジズ」

東京藝術大学大学院映像研究科 主催の2つの公開講座「馬車道エッジズ」開催が開催されます。
「現代映像プロデュース論」と「コンテンポラリーアニメーション入門」。
このうち「コンテンポラリーアニメーション入門」の宣伝、資料制作などで、アニメーションズが協力しています。講師は私、山村です。

ただいま第1回:2009年7月18日(土)の講座、演題:人間の愚かさを笑い飛ばせ、フィル・ムロイ (イギリス)の申込を受付中です。
「コンテンポラリーアニメーション入門」の公式サイトhttp://animation.geidai.ac.jp/ca2009/や、アニメーションズのイベントページもご参照ください。

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ca02.jpg

「コンテンポラリーアニメーション入門」
~現代短編アニメーションの見取り図~

【概要】
我々の同時代にどのようなアニメーション作家が、ど のような意識で作品を制作しているのでしょうか。短編アニメーションは常にアニメーション映像の可能性の最先端を走っています。 しかし、実際に製作者や観客の興味の増幅ほど、短編アニメーショ ンを見て知る機会は増えてはいません。まずその基礎知識を共有して、コンテンポラリーアニメーションの見取り図を描くことがこの公開講座の目標です。
東京藝術大学大学院映像研究科では、世界的に「いま」を象徴する作家の作品の鑑賞を中心に、講義を公開で行います。

【開催日時】
■第1回:2009年7月18日(土)
(申込受付:6月20日~7月11日)
演題:人間の愚かさを笑い飛ばせ、フィル・ムロイ (イギリス)

■第2回:2009年10月3日(土)
(申込受付:9月5日~9月26日)
演題:マクラレンの新しい後継者、クリス・ヒントン とマルコム・サザーランドの抽象(カナダ)

■第3回:2009年12月12日(土)
(申込受付:11月14日~12月5日)
演題:ジャンルイジ・トッカフォンドの誘惑(イタリ ア)

第4回以降、来年度に継続予定。
注)講座の演題は仮題です。予告なく演題、講師を変更することがあります。

詳細はホームページをご覧ください。
http://animation.geidai.ac.jp/ca2009/

■開演:午後6時~午後7時30分(約90分、受付:午後5 時~)
■会場:東京藝術大学 横浜校地 馬車道校舎
■講師:山村浩二
■聴講:無料 事前申込制先着80名まで。メールでの申込。
   開催日の1月前から3週間。
■申込メール:ca2009☆animation.geidai.ac.jp
☆の部分を@に書き換えて、氏名、住所、電話番号、メールアドレスをご記入の上、メールを送ってください。
■主催:東京藝術大学
■共催:横浜市開港150周年・創造都市事業本部
■協力:アニメーションズ

■お問い合わせ先
「コンテンポラリーアニメーション入門」担当:若見
東京藝術大学 大学院映像研究科 アニメーション専攻
URL: http://animation.geidai.ac.jp/ca2009/
E-mail: ca2009☆animation.geidai.ac.jp
☆の部分を@に書き換えてメールを送ってください。
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もうひとつの公開講座。

「現代映像プロデュース論」
~最もホットな人の、最も新しいビジョン~

【概要】
現代日本を代表する文化とさえ評価されるアニメー ション。その将来像を描くには、作家・監督のみならず、プロデュー サーの役割が重要です。新しい構造やコンテンツを開拓する “コ ンテンツプロデューサー待望論”が高まっています。公開講座「現代映像プロデュース論」では、世界的な ポジションを狙う、旬のクリエイティブリーダーやエグゼクティブプロデューサー等を招き、最もホットな人の、最もホットなビジョ ンを語っていただきます。
世界進出の成功談/苦労談あり、日本アニメーションの制作や流通の構造的改革への提言あり、作家・監督とのチームワークあり…。現役プロデューサーおよびプロデューサー志望者、そ してコンテンツリーダーのみならず、映像に関心がある全ての人が、明日へのビジョンを描ける講座となることをめざしています。
さらに、将来的には、新しい人材やコンテンツ等を生む基盤としての“アニメーションのプロデューザーズ・アソシエイ ツ”へ発展させたいという願いを持っています。

【開催日時】
■第1回:2009年7月11日(土)
16:00~18:00(懇親会 18:30~会費制)
演題:企業内クリエーター集団「ROBOT アニメーション スタジオCAGE」
講師:アニメーション作家 野村辰寿氏 (株)ロボッ ト
加藤久仁生監督の『つみきのいえ』のオスカー受賞に湧く、日本。しかし、加藤監督を育て、『つみきのいえ』を生んだ 創作の場「ROBOT アニメーションスタジオ CAGE」は一般には知られていません。その生みの親でもある野村氏が、商業作品に携わりながら、作家自らのアニメーション創作を実践できる、株式会社ロボットのユニークな企業内ユニット「CAGE」を語ります。

■第2回:2009年8月27日(木)19:00~
演題:未定
講師:丸田順悟氏 (株)マッドハウス 代表取締役社長

■第3回:2009年9月
CAF日加プロデューサーズ・ワークショップ
演題:カナダ国立映画制作庁におけるプロデューサーの役割と国際共同制作への提言
講師:マーシー・ペイジ氏 カナダ国立映画制作庁 プロデューサー
    エレーヌ・タンゲ氏 元カナダ国立映画制作 マーケッター
(平成21年度文化庁委託事業/共催:カナダ国立映画制作庁、カナダ大使館/カナダ・アニメーション・フェスティ バル(CAF)事務局)

■第4回:2009年10月
新進監督へチャンスを!「動画革命東京」プロジェク トからメジャーデビューへ
講師:竹内宏彰氏(株)シンク 取締役エグゼクティブプロデューサー

注)講座の演題および講師は変更することがあります。

全5回開催予定。詳しくは今後ホームページで案内いたします。
詳細はホームページをご覧ください。
http://animation.geidai.ac./jp/pd2009/

■会場:東京藝術大学 横浜校地 馬車道校舎
■参加:入場無料 事前申込制
※事前申込(希望する講座名、懇親会への出席、氏名、住所、電話番号、メールアドレスをご記入の上、以下のメールへ申込ください
■申込メール:pd2009☆animation.geidai.ac.jp
☆の部分を@に書き換えてメールを送ってください。

■主催:東京藝術大学
■共催:横浜市開港150周年・創造都市事業本部
■協力:BankART1929

■お問い合わせ先
「現代映像プロデュース論」担当:村上
東京藝術大学 大学院映像研究科 アニメーション専攻
URL: http://animation.geidai.ac.jp/pd2009/
E-mail: pd2009☆animation.geidai.ac.jp
☆の部分を@に書き換えてメールを送ってください。
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        2009-06-24        「岡本忠成全作品集」DVD-BOXが届いた!!

ついに待望の「岡本忠成全作品集」が出ました!!
出るぞ出るぞと噂されていて、知らぬ間に延期されて……
そんな状態が続きましたが、ついに出ました。
僕の手元にあるので間違いないです。BOXで買うと、卒業制作『かがみ』や幻の遺作『ほたるもみ』の資料をはじめとして貴重な映像が詰まった特典DVDがついてきます。
Animationsのホームページをご覧になっている方は、迷わず買ってください。
計400分超ですよ?
これで1万円超えないのは安い。安すぎる。
こういうのって、思った以上にはやく無くなりますよ。
速攻で買ってください。マストバイです。

岡本忠成全作品集 DVD-BOX[Amazon]

土居

        2009-06-24        横浜フランスアニメーション映画祭2009 プログラムG、D

昨日に引き続き、ジャック&ベティ横浜フランスアニメーション映画祭2009を観にいってきました。

プログラムGは「ぼくたちは機械じゃない」。プログラムの名前通り、社会・集団の歯車になっている人間の姿を描き出すものが多かったです。というかそんな作品ばっかりで少々疲れました。『ラプサス』の作者ワン・パブロ・ザラメーラの過去のクレイ作品や、以前少々話題になった3DCGアニメーション『ベルニの人形』(ヤン・ジュエット)、以前ブログで紹介した『ボブ』(ジャン・ピエール・ポワレル)、『風車の村』(フロリアン・トゥレ)などが見所なのでしょうか。自信がありませんが。

プログラムDは「夢見る子供たち」。子供向けだったり子供が出てくる作品が集められています。前回の広島でコンペインしていた『はじめての旅行』(グレゴワール・シヴァン)、『渡り鳥たちの移動』(ポーリーヌ・パンソン)、『白いオオカミ』が最近の賞レースを一部賑わしていたピエール=リュック・グランジョンの旧作(かつパペットアニメーション)『誰かの住むお城』、お父さんが構ってくれないあいだに子供が家のなかで想像力を働かせる『グレープフルーツ』(コラリー・ファン・リートショッテン)、ケツ托をめぐるちょっとした物語『パピヨン』、白黒赤のグラフィクセンスと最後のどんでん返しが快感なネズミとライオンの物語(作者イケメン)『ネズミのしっぽ』(バンジャマン・レネール)などは安心して観られました。

この映画祭のプログラムって、フランスで製作されたものの実情をどれくらい適切に反映したものなんでしょうか。

今年のアヌシー長編部門で観客賞を受賞した『ブレンダンとケルズの秘密』は申し訳ないですが今回はパスさせてもらいます。どなたかかわりに観にいってみてください。良い作品だったら良い作品だったことを僕に教えて後悔させてください。それではごきげんよう。

土居

        2009-06-23        横浜フランスアニメーション映画祭2009 プログラムE、F、A+B

先週末よりジャック&ベティで開催の横浜フランスアニメーション映画祭2009に行ってきました。プレイステーション3(?)で上映しているプログラムがあったことに衝撃をおぼえつつ(笑)、簡単な報告を。上映作品は劇場にて配布しています。テキストデータがあるんだからネットに載っけてくれればいいのに。

プログラムEは「社会派アニメーション」プログラム。去年の広島でコンペインした『コンクリート』Beton(監督:アリエル・ベリンコ)やフローランス・ミアイユ作品『白い鳥、黒い鳥』、フォリマージュ・スタジオ製作の『小さな星の王子さま』などが有名どころでしょうか。基本的にアニメーションとしての基礎体力に欠ける作品が多い印象でしたが、チェチェンからの転校生を迎えるというシチュエーションによってフランスの移民問題の根深さが浮き彫りにされていく『タデウス』(フィリップ・ジュリアン)、第二次大戦のドイツの収容所でオーケストラ演奏をすることで間接的にドイツ軍の暴力と理不尽な処刑に加担することになってしまった人々の姿を軽快な音楽にあわせて描き出す『耳にふたなし』(エチエンヌ・シャイユ)が印象に残りました。

プログラムFは「愛の賛歌」。「知られざる」でも紹介されている『レール人生』(Tomek Ducki)、去年のヨコハマEIZONEのプログラムに選ばせてもらったパラシオス『黄金の森の美女』、傑作『スキゼン』のジェレミー・クラパンの過去の作品で前々回の広島コンペインの『脊髄の物語』などが有名作でしょうか。このプログラムは比較的良作揃いでした。『黄金の森の美女』の凄まじさは相変わらずでしたが、その後の『恋は何のために』(ルイ・クリシー)、『脊髄の物語』と三作続けて映画とそれに憧れる普通の人々(『黄金の森の美女』の登場人物たち、特に主人公の女性は絶対に普通の人間です)という構造の作品が続き、ああ、フランスらしいなあと思いつつ、『恋は何のために』はそのスピード感と躁病的な幸せ描写が、『脊髄の物語』は『スキゼン』(ともしかしたらアダム・エリオットの作品)と通じるような、何かが欠け埋め合わせるものを求める存在としての人間描写が印象的でした。

プログラムA+Bは「ゴブランのアニメーション」+「日本の若きクリエイターによる作品」。フランス最古のアニメーション学校ゴブランは毎年アヌシーのジングル映像も制作していますが、このプログラムでは45分の枠に20作品ほどが詰め込まれるという慌ただしさ。今年のアヌシーで学生部門グランプリを受賞した『靴下のために』も入っています。「内容がないよう」というシャレが頭のなかを駆け巡りましたが決して悪口ではありません。有無を言わさない説得力ある動きの質と特筆すべきスピード感に溢れた作品ばかりで、音楽は人を無意識に連帯させ収容所の人々を(反抗のためではなく速やかな処刑のために)団結させるという恐ろしいメッセージがこめられた『耳にふたなし』のことをなぜか思い出しました。Bの方は2008年度より開設された東京藝術大学大学院のアニメーション専攻の学生の、過去の作品集。残念ながら一回のプログラムではすべてが観られないようになっています。それでも、いろいろなところの上映会で観たことがある作品ばかり。タレントぞろいであることをうかがわせます。上映会などでは未見だった印象に残ったのは『狼疾の人――ある小説家の話――』(折笠良)と『MAGGOT』(銀木沙織)。売れない小説家の孤独と狂気を描くこ前者は15分を超える長尺ですが、全体を眺めてしまうと出来の波が激しいものの、ときおりおおっと言ってしまうようなテンションになる瞬間があり、描きたい欲求がどかりと伝わってくる作品でまったく飽きませんでした。後者は今日一番の驚き。銀木沙織という作家の噂は各所で耳にしていましたが、ようやくきちんとしたかたちで観れました。静止画であっても構図によって運動性を持ちうることわかってしまっている彼女は、アニメーション表現に必要な天性のものが間違いなく備わっているように思えました。『MAGGOT』は完全無音という思い切った作品ですが、フィッシンガーの『ラジオ・ダイナミクス』しかり、映像そのものがビンビンに音楽性を持ってしまっているのでまったく気にならないというか逆にあらゆる音は邪魔でしょう。作品の内容自体も、ウジ虫によってウサギの死体を蘇らせる(そして主人公の少年自体も……)というなかなかショッキングな内容なのですが、悪意などは微塵も感じられない充分な説得力があり、驚きました。きちんとした上映環境で改めて「発見」できてこれほどの歓びはありません。残念ながら、残り一回の上映では観れないようですが、後々嫌でもたくさん観ることができる作品のは間違いないと思います。なぜ今まで知られずにいたのでしょうか? 山村氏による注目の若手作家紹介の連載がはじまっているヨコハマアートナビの7月号にて紹介されています。youtubeでの動画配信(『MAGGOT』ではないですが)も(当然画質は粗いですが)あります。インタビューも面白いです。

土居

        2009-06-21        日本アニメーション学会にて発表します

今週末に神戸芸術工科大学にて開催される日本アニメーション学会第11回大会にて、
ノルシュテイン『草上の雪』について発表します。
一般の方、学生の方、参加は無料ですので、
(資料が必要な方は500円/懇親会参加は3000円)
お気軽にいらっしゃってください。
6/28(日)14:30-14:55に神戸芸術工科大学の1106教室です。

大会ホームページにてプログラムなどダウンロードできます。

土居

        2009-06-19        「ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション」劇場公開決定

秘密にしていたお知らせの第一弾です。

ライアン・ラーキンの全作上映が決定しました。

ryan1

→ホームページが開設されています。こちら

劇場はライズX。9月公開予定です。全国を回る予定です。(おそらく。)
初期のテスト作品『シティスケープ』はもちろん、遺作『スペアチェンジ』もやります。
パンフレットを執筆させてもらいました。
全作解説、バイオグラフィ、評論。たくさん書きました。
山村さんも寄稿しています。

ryan2

「知られざる」ライアン・ラーキンが普段アニメーションに興味関心のない方々にも届くチャンスです。本当に楽しみです。
実はこれ関連でもうひとつお知らせできることがあるかもしれないのですが、まだ本決定ではないので……

とりあえず9月までは、『アニメーションの映画学』[Amazon]を読んでお待ちください。

土居

        2009-06-15        アヌシーインターナルアニメーションフェスティバル09(6)<完>

アヌシー6日目。ついに最終日。

午前中は街をうろつき、中華料理をテイクアウトしてカフェでビールを頼みつつ食す。天気が良くて気持ちよくなって14時~の回をパス。近くの教会に入って荘厳さに息を呑む。

16時~の回はシリャーエフの作品集&トーク。最初から最後まで完全に寝てしまう……いいんだ、Mary and Maxで俺の今年のアヌシーは終わったのだ。

18時からウェブ用にウロ・ピッコフのインタビューを三十分ほど。『ディアロゴス』やエストニアシーンについてしゃべってもらう。水江くんに写真を撮ってもらいつつ。エストニア・アニメーション・マフラーをもらい、ひどく嬉しい。興奮した。最近は子供用の本なども書いており、それも今度送ってくれるという。新作も出来たらくれるという。なんと寛大でパワフルな人なんだろう……エストニアのアニメーテッド・ドリームにおいでよ、と誘われる。行きたい……パルンの新作Divers in Juneも観られるだろうし……(制作はほとんど終わったらしい。)

20時からは閉会式。大ホールが会場、小ホールが同時中継。大ホールは招待状所持者のみとのことだったが、並んだらチケットがもらえた。大げさなセットが組まれ、フェスティバル・ディレクターがはしゃぎ、その後各賞の発表。パノラマからの賞にMadagaskal、UNICEF賞にSlavarと好きな作品が続いたので嬉しい気持ちになる。長編のアヌシー・クリスタルは異例の2作品同時受賞。Mary and Max(やったぜ!)とCoraline(ヘンリー・セリックの新作長編)。そして短篇。観客賞Western Spagettiが結構意外。佳作にPlease Say Somethingが入ったのは嬉しかった。グランプリはなんとSlavar。目を丸くした。まったくの予想外。しかし好きな作品だしアニメーションである必然性は俺は充分にあると思うしグラフィック・スタイルの選択も意欲的だと思うので結構嬉しい。受賞作品の完全なリストは山村さんのエントリをご覧下さい。

22時半からはパーティー。上甲くんに招待状を譲ってもらい、『オーケストラ』の三人、『ひまわり草』の松田さん、そしてアヌシーに留学中の大河くんと会場に突入。凝った陳列の飯を喰い、ビールを飲み、目当ての作家を探す。しばらく誰も見つからないが、アダム・エリオットがニック・パークと話しているのを発見! 『オーケストラ』の面々がDVDを渡す準備をしているのを待っていると、準備完了のころにちょうどアダム・エリオットが席を立ったのでつかまえた! あなたの作品は人間や世界や人生に対する愛に溢れています!と感激しながら伝え、予想通り本当に良い人だった。向こうからも質問してくれるなど、すごく丁寧に対応してくれた。写真も一緒に撮ってもらった。嬉しい! ホクホクした気持ちでいると続いてデイヴィット・オライリー発見! 話したがっていた松田さんと一緒に突撃。顔が真っ赤になって完全にできあがっている彼もまた丁寧に対応してくれる。日本に行ってみたいから広島と札幌短篇に出すというので、横浜にも出してみるといいよとすすめる。メモってくれた。チャック・ジョーンズの最良の作品群を思い出します、と感想を言うと初めて言われたとすごく喜んでくれた。エールフランスのフライトアテンダント(なぜパーティーにいる?)に捕まっていると、『オーケストラ』三人組がえらく盛り上がっているのでそこに割り込ませてもらうと、短篇グランプリのSlavarの監督夫妻だった。9月に日本で挙式をあげるらしい。日本に来たら会おうと約束する。パーティーが終わって、工芸大出身組と合流、5時くらいまでダラダラと街を歩きつつ話す。タクシーでホテルに帰るとドアの鍵があかない。スタッフは誰もいない時間なので仕方なくフロントの椅子で少しだけ眠る。7時半になってようやく人がやってきたのでドアを無理矢理こじあけてもらい、急いで荷物を詰め込んでさっきタクシーに乗った鉄道駅にまた向かい、8時半のパリ行きTGVにギリギリセーフ。さよならアヌシー、また来るよ。

土居

        2009-06-14        アヌシー2009 受賞作

土居君のレポートに先駆けてネットでアヌシー受賞作が発表されましたのでお知らせします。ほとんど未見なのでコメントできませんが、長編はヘンリー・セリックとアダム・エリオットがグランプリを分けあいました。セリックは1997年『ジャイアント・ピーチ』以来2度目のグランプリ受賞になりました。アダム・エリオットの"Mary and Max"は本当に早く見たい。
普通賞を競うからコンペだけれど、今回、短編映画のアウト・オフ・コンペティションから、土居君もお勧めしていた"Madagascar, carnet de voyage" Bastien DUBOIS(フランス)が、短編映画"CANAL+ creative aid" 賞を受賞しています。

短編映画
アヌシークリスタル:"Slavar" Hanna HEILBORN, David ARONOWITSCH(スウェーデン)
特別優秀賞:"Please Say Something" David OREILLY(ドイツ)
子ども審査員短編映画賞:"L'homme à la Gordini" Jean-Christophe LIE(フランス)
観客賞:"Western Spaghetti" PES(アメリカ)
FIPRESCI 賞:"El empleo" Santiago GRASSO(アルゼンチン)
Jean-Luc Xiberrasデビュー作品賞:"L'homme à la Gordini" Jean-Christophe LIE(フランス)
Sacem賞-オリジナルミュージック:"Chick" Michal SOCHA(ポーランド)
審査員特別賞:"Runaway" Cordell BARKER(カナダ)
ユニセフ賞:"Slavar"Hanna HEILBORN, David ARONOWITSCH(スウェーデン)
長編映画
最優秀長編クリスタル:"Coraline" ヘンリー・セリック Henry SELICK(アメリカ)
最優秀長編クリスタル:"Mary and Max" Adam ELLIOT アダム・エリオット(オーストラリア)
観客賞:"Brendan et le secret de Kells" Tomm MOORE, Nora TWOMEY(フランス)

TV シリーズ
最優秀TV作品クリスタル:Log Jam "The Log", "The Rain", "The Moon", "The Snake" アレクセイ・アレクシエエフ Alexey ALEXEEV(ハンガリー)
TV シリーズ特別賞:Pat et Stan "Jour de bain" Pierre COFFIN, Marco ALLARD(フランス)

TV スペシャル
TV スペシャル賞:"Lost and Found" Philip HUNT (イギリス)

教育、科学または産業映画
教育、科学または産業映画賞:How to Destroy the World "Rubbish"(イギリス)

広告映画
広告または宣伝映画賞:BBC iPlayer "Penguins" Darren WALSH, Vince SQUIBB(イギリス)

ミュージックビデオ
最優秀ミュージックビデオ賞:Flogging Molly "Float" KARNI & SAUL(イギリス)

卒業作品
特別優秀賞:"The Soliloquist" Kuang Pei MA(台湾)
子ども審査員卒業制作賞:"Shrug" Alina CONSTANTIN(ノルウェー)
最優秀卒業作品賞:"For Sock's Sake" Carlo VOGELE(フランス)
審査員特別賞:"Ex-E.T." Benoît BARGETON, Yannick LASFAS, Rémy FROMENT, Nicolas GRACIA(フランス)

短編映画アウト・オフ・コンペティション
短編映画"CANAL+ creative aid" 賞:"Madagascar, carnet de voyage" Bastien DUBOIS(フランス)

公式サイト・受賞作:http://www.annecy.org/home/index.php?Page_ID=2164

山村

        2009-06-13        アヌシーインターナルアニメーションフェスティバル09(5)

アヌシー5日目。明日はプログラムも少ないので今日が実質的には最終日のようなもの。

午前中は市内をぶらつく。クッキーなど購入。

14時~の回はコンペ5。Retouches(Georges Schwizgebel)は新しい方向性を試しているような印象の作品。移行や変容ではなく、タイトルが示すとおりの再度のタッチ。拭いたり、描き加えたり。前作JEUのようなかっちりとした感じがなく、気がつくと次のフェーズに変化している。抽象と具象を行ったり来たりもする。AとBのあいだを、さわっさわっとなでるようにして揺れ動いているような感じ。催眠性が高い。The Additional Capabilities of The Snout(Ivan Maximov)はRetouchesと並べて上映されることで威力を発揮した。最近のマクシーモフは自然をテーマとしていたが、今作は久々に夢の方に戻った印象。自意識のあるキャラクターがほとんどおらず、彼らはただただ反復する動作を繰り返す。Retouchesと合わせ技で一本。Mixed bag(Isabelle Fabez)は期待外れ……あいかわらず犬はひどい目にあうが、それ以外の展開が……ロジックが貫徹されて犠牲者が出るいつもの残酷さがない。アニメーションのリズムもなんだかおかしい……どうした、ファベ。Lies(Jones odell)は前作Never Like the First Time!の延長線上にある作品。笑えない嘘、かわいい嘘、胸が痛くなるような嘘の三つのエピソードが前作同様に異なる描画スタイルで展開。レベルは高いが新鮮味はそれほどない。ただ、ラストのエピソードの強力さはすごい。El Empleo(Santiago Grasso)はクロックで見逃していた作品でようやくみることができて嬉しい。道具の役割を人間が果たしている世界は笑えもするが、恐ろしくもある。Wallace and Grumit: A Matter of Loaf and Death(Nick Park)は……うーん……

16時~の回はピクサーのチケットをとっていたがどうせみれるだろうしプレゼンなのでパス。

18時~の回はアダム・エリオットの新作長編Mary and Max。アスペルガー症候群の中年男性と友達のいない女の子の文通のお話。思い返すだけで胸が苦しくなるので今はまだきちんと書けないが、これはすごい。スタイル的には『ハーヴィー・クランペット』と同じ。小さなエピソードを重ねていくことで、クリーチャーとしての人間の姿を描いていく。結局のところ、perfectになることを求める物語。その過程にはどんどんとimperfectが増していき、しかし最後にはperfectを迎える。imperfectである人間が、どのようにしてperfectにたどりつくことができるのか、それについては直接観ていただいた方が良いですよね。最後に出会う二人が座るソファで起こることほどに美しい希望はないと思う。パルン『ガブリエラ・フェッリ』とも通ずるラスト。ああやばい、またすごい泣けてきた……本当に素晴らしい作品だと思います。日本公開を切に望みます。

Mary and Maxで満足してしまい、My Dog Tulipは結局観ず。ビールを久しぶりにしこたま飲んでガレットを食べていました。

明日はプログラム少しと、閉会式。
短篇部門は
グランプリ:『ガブリエラ』
審査員特別賞と佳作:Please Say SomethingかMei Ling
デビュー賞:I Was Crying Out at Life, or for It
こうなってくれればいいなあ、と思う。
観客賞は今回参加してみて相当適当だということがわかったので別に……
(投票用紙は「勝手にとっていって」といわんばかりに放置されているだけ。)

土居

        2009-06-12        アヌシーインターナルアニメーションフェスティバル09(4)

アヌシー四日目。

11時に会場に到着。遊覧船一時間コースに乗る。とても気持ちいいのと寒いのが混じりあった濃厚な時。パラグライダーをしている人たちがたくさんいた。俺もしてみたい。ういてみたい。

その後遅い朝飯を会場にあるファーストフード屋で。7ユーロって安いと思ったけど日本円に換算したら1000円こえてるじゃんか!

14時~の回はパノラマ2。待望のForming Game(Malcolm Sutherland)はBirdcallsからの正統進化の素晴らしい出来だと思った。これがなぜコンペから外される? Dar Khane-Ye Ma(Maryuam Kashkoolinia)は少女の家族紹介がガラス絵アニメーションで展開。手法が必然的に導き出す流動性の感覚がとりとめのない少女の言葉にマッチ。技術的には荒いがほっこりとした気持ちになる。Pirogues(Alice Bohl)は不法入国をめぐる移民のお話。こういうストーリーテリングがアニメーション的な体力を持ってくれればいいのになあと思った。Albert's Speech(Richard Fenwick)は結婚式のスピーチで緊張しすぎる男(実写)の想像の世界をアニメーション(など)で展開。そこそこ笑える。Passages(Marie-Josee Sant-Pierre)は広島のパノラマでやっていたMcLaren's Negativeの作者の新作。自身の妊娠・出産時に体験した、あやうく赤ん坊が殺されそうになった病院の責任逃れを告発する作品。最近気になってしょうがないアニメーションによるドキュメンタリーの一種。冒頭と最後で読み上げられるセリフはこの種の作品の基本的原理の本質を突いていると思った。McLaren's Negative同様に映像の体力(わかりにくいですよね。平たくいえばリズム感のことです。あくまでアニメーションのリズム感。)がないのが残念といえば残念だけれども、扱う題材からしてこういう方がいいのか。催眠的にふるまわず、距離感が出るので。

16時~の回は学生4。Happy Birthday to Me(Hui-shan Lee)はどこまで本気なのかがはかりかねる怪作で思わず吹き出す。Death in the Yellow House(Anna Virtanen)は広島のフィンランド特集以来の再見。モノの反乱でツイてない日を演出。The Collection(Karen Albala)は大山慶の質感を思わせるコラージュ感と少女による壊れつつある世界の再度の拾い集めのテーマがマッチしていて、ラストもなかなか。Farewell(Chu-ling Hsu)はシャレたパロディーを用いた温暖化防止作品。一発ネタだが説明しすぎてないところがいい。69 Years of Love(Jaaup Metsalu)の作者は絶対に和田淳を観ているに違いない。マンション在住の二組の夫婦の浮気。奇妙な人間関係を描くシチュエーションもそうだが、浮気がバレるきっかけのおおらかな適当さもエストニアっぽい。On Time Off (Bill Porter)は夏の砂浜を舞台(あくまで舞台)に現代社会の喧噪をしれっと入れ込む静かで暑い作品。HomeLand(Juan de Dios Marfil Atlenza)は変な生物に服を編んであげていくことがきっかけになるちょっとかわった友情物語。次第に母と子の関係性を描いているかのようになってきて、旅立ちのときに流す彼らの涙は俺の涙にも。がさがさの紙にボールペンというラフさが、あたかも夜空を見上げているような感覚に。まさに学生作品という感じで、素晴らしいです(皮肉じゃないですよ、ほめてますよ)。数少ない日本人ノミニー『ひまわり草』(松田美那子)はひまわりの生の循環を妖精型キャラクターに託して色鮮やかに。For Sock's Sake(Carlo Vogele)はティールロヴァー現代版といった趣き(ただし内容は少々下品)。乾きたて感がしっかりでているジーパンのアニメーションをはじめ、とにかく「うまい!」と思った。

18時~の回はパノラマ3。アヌシー常連になりつつある水江未来『JAM』はストレートに累積していく展開で、後半のカオスの迫力が見せ場。しかし少々画質が荒く、細部が語らないのでもったいなく思った(画質のきれいなものをみたことがあったので)。クロクで観たことがあったRadostki(Magdalena Osinska)は明らかに前とヴァージョンが違う。分数も短いし。35mmの異様なキレイさとメリハリがついた展開、子供の絵を使ったキャラクターの動きの気持ちよさ、子供の語りの親密な空気、そういったものの相乗効果で面白い作品になっていた。このプログラム最大の盛り上がりはMadagascar, Carnet De Voyage(Bastien Dubois)。マダガスカルへの旅行記のスケッチブックの体裁をとった作品で、ありとあらゆるアニメーション技法が試されているように感じてしまうほどの映像的な多彩さが、旅行者にとってのマダガスカルという土地、その変容する姿を見事に描き出す。かなり感動した。『瞑想』(大井文雄)の素晴らしさは何と言葉にすればいいのだろう?人間にとってカオス的なイメージの持つ根源的な意味とは何だろうと考えさせられた。胸にしっかりと残った。

21時~はコンペ4。この日はクレイジーなセレクションの日だった。Muto(Blu)については今さら付け加えることはないです。Mei Ling(Stephanie Lansaque, Francois Leroy)は海外で暮らす中国人女性とタコの友情物語で、3DCGで画面の感触は『スキゼン』を思わせる。最後の方で使われる実写、途中の随所で挿入されるクロースアップの異様に生々しい質感がきらめく。新しい。後半の夢のような世界の持つ異様なリアリティの創出に貢献している。これは『スキゼン』と同じく大画面で観てこその作品。youtubeじゃ絶対にわからない。Syotti(Tomi Malakki)は少年と魚の物語。魚に餌をやるシーンでは男性諸君は非常に痛い気持ちになるんじゃあないかしら。いたい、いたい、いたい!と思わず顔が歪んでしまった。クレイジー・タイムの始まり。The Man in the Blue Dragon(Jean-Christophe Lie)は短篇ではあまりみたことのないタイプ。オレンジ対ブルーのセミヌードな争い。かなり笑えた。こうして出来上がった雰囲気にぴったりフィットしたのがChainsaw Maid (長尾武奈)。アヌシーに向いている。大歓声&大爆笑&大喝采。俺も一緒になって楽しんだ。

23時~の回は依頼作品のコンペ。立て続けに世界中のCMやPVが流される。アイディア、きらびやかさ、生理的にもっていかれるようなタイミングの動き。一個くらいこういうプログラムを観るのは非常に勉強になる。

またしても一時くらいに帰宅、帰り道のあいだずっと不良の若者たちが大量にほんとうに大量に出没していて、ものすごく怖かった。一つのグループからはフレンドリーに絡まれたし。タダでテキーラ飲めたからいいけど。金かかるけど明日からはタクシーで帰ろう……

明日は絶対面白いはずのコンペ5と長編デー。アダム・エリオット新作Max and Maryと評判がすごく良いらしいポール・フィエリンガー新作My Dog Tulip(こっちはチケット取れれば)にいくぞ。アヌシー、いよいよ最終盤に突入です。

土居

        2009-06-11        アヌシーインターナルアニメーションフェスティバル09(3)

アヌシー三日目。五時くらいに寝たのでさすがに早起きできず、それでも11時には会場に着けた。今日も良い天気で気持ちよい。今回のフェスをほぼ一緒に過ごしている水江くん、上甲くん、植草くんらと徐々に合流して、アヌシーと同時開催のMIFA(見本市)へ。世界にはこんなにも多くのアニメーション・スタジオがあるのかと嘆息しつつ、ドイツアニメーションのブースでフリーDVDをゲット。エストニアアニメーションのブースではヌクフィルムの7枚組DVDセットがなんと50ユーロで売られていて速攻で購入。リホ・ウントの作品がついにこの手に!(でもホテルに帰って確認してみたらvol.6が二枚あった。5がなかった。交換しにいかないと……)
14:00~の回はまだ行ったことがなかったサン・ピエール・ラミーという小さな会場でパノラマ4。The Control Master(Run Wrake)はメディア芸術祭のオタワプログラムでみたときと特に印象は変わらず。Dialogos(Ulo Pikkov)は35mmと書いてあったので期待していたのだがこの会場ではフィルム上映ではなかった……超残念。しかし相変わらずの解放感。Les Ventres(Phillippe Grammaticopoulos)は相変わらずの作風で俺はやはり気に喰わん。Yours Truly(Osbert Parker)は過去の実写映画のフッテージを用いたアニメーションで、『ファスト・フィルム』の派生のような感じ。シーンごとにヒロインの女性が違うのにまったく問題ないのがアニメーションの恐ろしさと興味深さ。

16:00~の回は何もなしなので、アヌシー城まで展示をみにいく。ワレリアン・ボロズヴィックのスケッチ画など。アヌシー城自体が素敵な場所で(美術館や資料館になっている)、つい長居してしまった。まだこれまで飯を食べていない。

18:00~の回はコンペ3。はじめて大ホール以外でコンペを体験。紙飛行機の量も動物の鳴きまねの声も少ない。物足りなく感じている自分が嫌だ。Berbaoc(Jose Belmonteなど)は虫の標本の置き換えや抽象でも具象でもあるむにょむにょ線画を用いた半抽象アニメーション。クオリティは高くないが素敵。Jazzed(Anton Setola)はジャズ奏者の一晩の悪夢をスタイリッシュな映像で展開。キャラクターの図像化・抽象化が失敗気味であるものの、リズムの良さがそれを補っている。Codswallop(The Brothers McLead)は二面分割の画面が片面ずつ右にずれていきながらそれぞれの画面でちょっとしたアニメーションが連ねられていく、抑制の効いた佳作。Slavar(Hanna Heilborn, David Aronowitsch)は今流行のアニメーションによるドキュメンタリー。南部スーダンにて政府軍によって奴隷にされていた子供のインタビューをアニメーション化。プライバシー保護のためもあるが、記憶された回想の生々しい感覚を的確に再現するのにも、アニメーションは向いていることに気付かされる。写真映像の記録性だけでは必ずしも伝わらない過去というものがあるということ。映像のスタイル自体もほどよい簡略さで素晴らしい。これも何か賞をとってほしい。コーデル・バーカーの新作Runawayは暴走する列車の物語。デジタル時代のカメラワークの動きの質感がスピード感やダイナミズムのために大きく寄与していて、新しさを感じる。一方で振り回される人たちがいて、しかしもう一方でうまく活用して新しいものを生み出す人たちがいるということか。ノリのよい音楽を不可視の背骨として物語を展開させていく手腕も見事。Birth(Signe Baumane)は妊娠出産の女性にとってのスケールのでかさをデリカシーに欠けるほどの大胆な比喩・象徴で伝えてくる作品。好みではないが力はある。The Tale of Little Puppetboy(Johannes Nyholm)。彼女が家に遊びにくる若者の話。スチルをみて不安になっていたのですが、杞憂でした。この作者は天才です。『パニック・イン・ザ・ヴィレッジ』と同じくあまり動かさない美学を採用しつつ、『パニック』みたいな洗練ではなく、乱暴なまでにラフ。途中から笑いが止まらず。惜しむらくはスウェーデン語(?)の原語で字幕がフランス語だったので会話が理解できなかったこと。もっと楽しめたはず。テレビの表現には本当に笑いました。笛男にも。

21:00~の回はダンス特集のひとつBodies in Tune。踊る身体をテーマにしたもの。Rainbow Dance(Len Lye)、Big Broadcast 1938(George Pal)といったクラシック作品や、Feet of Song(Erica Russell)といったコンテンポラリーなクラシック作品を大画面で観れたのはとても嬉しい。D'Une Cite A L'autres(Helene Moinerie)には驚かされた。新鮮な迸りがじゅどーんと。後半はどうしてこういうセレクションになったか意味不明のPV集に。

23:00~の回は学生2。観客が騒ぎすぎで不安。案の定作品中にも暴れ出すようになった。Small House(Kristjan Holm)はパルンの学生。なぜか眠れない男が、その気になる原因を家中探しまわる作品。最終的にはその胸騒ぎの原因がわかるのだが、この作品、途中で何度も男が眠りにつこうとして電気を消す。そのたびに観客は大喝采の拍手(作品が終わったあとにすべきもの)を送る。わざと間違えたふりをして。騒ぎたいための材料に作品が使われていて、非常に不愉快な気分になる。アナウンスで注意くらいしろよ! 良い作品だったので非常に残念。インドからの0200、トルコからのGEMEINSCHAFT、共に素敵。後者はカフカ原作で、アニメーションとカフカの相性の良さを改めて確認。実写や演劇とはまた違ったかたちで吸収されていると思う。Rabbit Punchはラストのハッとするような展開(たいしたことではないけれど)が、The Soliloquistは画面の美しさと失恋とそれによって起こる内的変容がこちらもまたカフカ的に展開するのが印象的で好感。駆け足になってすいません。もうでかけないと間に合わない。

土居

        2009-06-10        アヌシーインターナルアニメーションフェスティバル09(2)

アヌシー二日目。ものすごく晴れていて、湖が本気出した。シャイニーな湖面のおかげで会場までの道筋が楽しくて仕方ない。いつもの倍以上の50分かかったせいで、10:30からの回はパス。足こぎボートに乗って興奮。顔が日焼けする。クロクで知り合った(そして二人とも去年の広島のコンペ作家でもある)『ラブシック』のスペラ・カデツ、『ボットゥーバートー』のマリーナ・ロセットに発見され、少々話す。パーティーの開催について教えてもらって、ようやくフェスティバルの幕が開けたような気がした。

14:00~は、スタレヴィッチよりも先に人形アニメーションを作っていたバレリーナ、アレクサンドル・シリャーエフのドキュメンタリー。実際のアニメーションのシークエンスが随時挿入されていくが、非常に面白くて興奮。パレエの研究のための動きの記録→教育利用のための線画抽出→トリック撮影の発見による人形アニメーションという過程が手にとるようにわかる。バレエシーンのアニメーションのレベルが高いことに感心するとともに、あまりに踊るシーンが長いことに苦笑。

16:00~は『パニック・イン・ザ・ヴィレッジ』初長編。長編だけど、展開は非常に地味。というかいつもどおりの延長線上。この作品の魅力は爆笑できる展開というよりかは、思わず感心してしまうような芸の細かさやアニメーションとして非常に気持ちよく成立している動きの妙にあるということを改めて確認。

18:00~はドイツ特集。時代性を感じる……というか、え、これが2000年代の作品?と思ってしまうようなものもちらほら。プログラムに選ばれたもの自体は、派手さがなく非常に堅実というか石橋を叩いて壊すような内容の作品が多く(わかりにくくてすいません、アニメーションの本質的な不可思議を問題にする作品が多かったということです)、これがドイツの色なのか、それとも選定のポリシーなのか。ヒュカーデの『リング・オブ・ファイアー』を大画面で観て、だいぶ印象が変わった。成長することの痛ましさ。大人ぶってみることの痛ましさ。こんなはずじゃなかったのに、という、でも結局はそれ以外の選択肢はありえないという痛ましさ。涙が出てくる。

雨がすごいので、夜飯はメイン会場近くの総菜屋で買い、会場で食べる。みんな狭い会場に閉じ込められている。

21:00~はコンペ2。すいません、昨日のコンペ全体の印象、先走りすぎました。今日のコンペはかなり強力。ひとつとして面白くない作品がなかった。ラン・レイクを思わせるようなリズムのアニメートで、動物たちや彼らが暮らす自然の世界のダイナミックな崩壊と再生を描き出すI Was Crying Out at Life, or for It(Vergine Keaton)の迫力には本当びっくり。これは新しいかも。これ賞とってほしい。日常的な材料で見せかけのスパゲティを完成させるWestern Spaghetti(PES)は見せ方のうまさに舌を巻く。大喝采を受けた本人はムサいおっさんで意外な気持ちがした。先日から少々ハマり気味のPlease Say Something(David Oreilly)には相変わらず涙が出てくる。フォリマージュのアーティスト・イン・レジデンス新作Rains(David Conquard-Dassault)はラフな絵なのにしっかりと雨に包まれる世界が現出していて素晴らしい。大雨に閉じ込められる人々の感じる狭苦しさは大雨のアヌシーの今日にも通じる。Wings and Oars(Vladimir Leschov)は非常に不思議な雰囲気。『岸辺のふたり』やら中国やらコヴァリョフやらいろいろなものを思わせて掴みきれない。Tiny Legs of Fire(Doug Bayne)は良い意味での下らなさ。思わず笑いが。44分という長さに恐れをなしたのかなんなのか始まる前から大量に人が会場を後にするお寒い雰囲気で始まったLife without Gabriella Feri(Priit Parn and Olga Parn)は大画面でフィルムでの上映で肉感性と緊張感が高まる。途中で出て行く人たちにときおり集中を邪魔されつつも、やはり素晴らしい作品であることを再認識。出て行きたくなる気持ちもわかるけど、きちんとみたらこんなにいろいろと与えてくれる作品はないと思うので残念な気分になる。

23:00~は学生コンペ1。信号係を担当する熊(?)のある一日を描いたSignalis(Adrian Fluckiger)は信号の入れ替わりとあわせたリズミカルな展開が素晴らしい。自殺しようとする男の内的世界を描き出すNever Drive a Car When You're Dead(Gregor Dashuber)はトム・ウェイツみたいな作品だった。Notebook(Evelien Lohbeck)はノートブックをノートブックパソコンにみせかける拙いながらも愛くるしい作品で会場の空気をほっこりとさせる。体内に宿る生命の水・生命の火を灯らせるL'Abandon。『霧のなかのはりねずみ』のことを思い出さないことが無理なAccording to Birds(Linde Faas)。

紙飛行機の数が昨日に比べて断然増える。動物の鳴き声の数も(今日は上映中にまできこえてきた)。ウサギが画面に出てくるとYEAHHHHHHHHHHHって歓声があがるのはなんなのだろうか。しかし、アヌシーの観客ってほんとアレですね・・・・・・・ 

一時近くだけれどもパーティーへ。ボーリング場が会場。もうすでにみなさん出来上がってて入り込む余地がなく、学生コンペ入選の松田さんなどとうるさいので屋外で震えながらゆったりと話す。マリーナ・ロセットがここにはとても書けないような日本語を披露してくれて思わず吹き出してしまった。誰があんな言葉を教えたんだ。最終バスの3時で会場に戻り、今日はタクシーを使う。運ちゃんが良い人だったのでほっこりとした気持ちに。

作品・作家のホームページのリンクは貼ってませんけど、気になったものはみなさん各自で検索していただけるとありがたいです。いくつかは広島にも来ると思いますけども。

土居

        2009-06-09        アヌシーインターナルアニメーションフェスティバル09(1)

7時半に起きて態勢を整え、町の中心部に出発。寄り道などしながら歩いて30分。ようやく会場に辿りつく。バッジをピックアップして、予約しておいたチケットを確認して、プレス用資料をもらって、日本から来ている作り手の方々と合流。

プログラムは、10:30-、14:00-、16:00-、18:00-、21:00-、23:00-の6つの時間帯に分かれていて、10:30-の部はほとんど上映がない。実質的には14:00-24:00すぎまでが上映の主な時間。午前中は観光に、18:00の回が終わったあとは夕食に、というリズムで生活をすることになる。

というわけで10:30はパス。工芸大出身者や藝大の現役院生の方々と一緒に市内を観光して、カフェ。サンドイッチを頼んだら異様にでかくて驚いた。食べるだけで疲れた。

14:00は初めての上映。メイン会場Bonlieu(グランドホールとプチホールがある)ではなく、サブ会場のシネコンDecavisionへ。The Moon's Revolutionという特別プログラム。月をテーマにしたプログラムだが、アニメーションにとって月とはなにか、もしくは人間にとって月とはなにか、そんなものが浮かび上がってきてもいいような題材なのに、ただ月がでてくるというだけで選ばれた最近の別に面白くもない作品を適当にピックアップしてきた印象でちょっと腹が立つ。イシュ・パテルの2008年作品というのがあってなんだろうと思ったら、例のユナイテッド航空のCMシリーズ(ウェンディ・ティルビー&アマンダ・フォービスやペトロフなどがやっているやつ)の一本だった。あとは例のKJFGシリーズの一作は面白かった。「ウォレスとグルミット」を途中で抜け出して、パンツやシャツを買う。スーツケースがないので。

16:00は学生コンペ3。光る作品が数本あった。和田淳ミーツ『リボルバー』と言った趣きのNice Day for a Picnic (Monica Gallab)。『オーケストラ』はまあ何度も言及しているので置いておくとする。描き方自体に難ありだが描こうとすること自体には誠実さを感じるまさにロシア的作品Waiting (Vera Myalisheva)。言葉が物質化する現実的な感覚をうまく用いて家族のコミュニケーションを描き出すKatrine(Malik Thomas Spang Bruun)、もこもこ毛皮のキャラクターが素敵なSoft Plants (Emma De Swaef)、ある若い女性のなんでもない日常をすらりと描くAfternoon(Ji-ye Ko)、白黒の使い方がうまいなと思ったらライムンド・クルメの学生だったRendez-vous Mit Einer Toten (Pauline Flory)、ある一人の女性の子供のころ、若いころ、年をとったころの三つの時期を三分割の画面で同時に展開し、どの時期にでも思い出は新しく集積しうるし過去のその豊かさにも触れうるのだと語りかけるWherever You Go There You Are (Sara Barbas)。ここで挙げた作品はどれも完成度は高くないけれども、とても好感が持てる作りのものばかり。

18:00はパノラマ1。面白い作品がいくつか。母親が突如として死んでしまったサラリーマン、過失はないが車で人をはねて死なせてしまったOL、最愛のペットを乾燥機で殺してしまった若者の三人の人生を並行して語りながら、彼らの日常に起きる突然の変容の瞬間を描き出すThe Surprise Demise of Francis Cooper's Mother (Felix Massie)、このアイディアは長編じゃないと無理だろうと思ってしまうようなダイジェスト感が否めないが生理的嫌悪感を与える例のキモイキャラデザインに磨きがかかっているThe Spine (Chris Landreth)、新時代のブルース・ビックフォード(こういうタイプの作品はアメリカ人にしか作れないのだろうか)で素晴らしいと思ったBoris(Daniel Lundquist)、アーカイブの写真資料を用いてコラージュし人類史のなかで行われてきた記憶のねつ造(というかねつ造されていくのが記憶であるということ)について浮かび上がらせていくPhotograph of Jesus (Laurie Hill)、『ラプサス』効果?とも思ってしまうような映像自体の非物質性とそれが喚起する物質性をうまく操った、リズム感が天才的なフラッシュアニメーション作家アレックス・ブドフスキーの新作The Royal Nightmare、アルカベッツがときたま作る錯視ものの新作The Da Vinci Time Code。

21:00のは夕飯でチーズ料理を食べたのでパスしてしまい、23:00からコンペ1。カタログをもらったときからの不安が的中しつつあるかもしれない。今年のコンペ、一部の名の売れた作家たちの作品を除いて、全然おもしろくないかもしれない……少なくとも、スチルをみて「これは面白そうだ」「これがどう動くんだ?」というものがない。そして実際、面白い作品は一つもなかった。紙飛行機が飛びすぎだった会場。アヌシー、噂にはきいていたけれども、ここまで観客の幼児化の激しいフェスティバルだったとは……

雨風のなか30分歩いて宿舎に帰ると、ロストしたスーツケースが届いていたので今これを書くことができている。洗濯しなくてもいいくらいの服の量になってしまった。

長く書きすぎた。これじゃあつづかないので明日からは楽に。

土居

        2009-06-08        ザグレブ受賞作

さて、いまアヌシーが開幕しますが(土居君、荷物大丈夫かな?! )、毎年同じ時期に開催されるクロアチアのザグレブ世界アニメーション映画祭が一足先に終わり受賞作が発表されました。今年は長編イヤーです。

グランドコンペティション審査員:
Jia Duan(中国)、Lotte Geffenblad(スウェーデン)、Dubravko Mataković(クロアチア)

グランプリ:『戦場でワルツを』“Waltz with Bashir” 監督:アリ・フォルマン (イスラエル・独・仏) 
スペシャル・メンション:“The Secret of Kells” 監督:Tomm Moore、Nora Twomey (仏・アイルランド・ベルギー)
スペシャル・メンション:『ガブリエラ・フェリなしの人生』"Life without Gabriella Ferri" 監督:プリート・パルン、オルガ・パルン Priit Pärn/Olga Pärn (エストニア)
スペシャル・メンション:“Mary and Max” 監督:アダム・エリオット Adam Elliot (オーストラリア)

ゴールデン・ザグレブ賞:“Heart in the Wall” 監督:Balbina Bruszewska (ポーランド・スイス・韓国) 
 ゴールデン・ザグレブ賞は、Animafest Proに出品されたプロジェクトの中から最優秀プロジェクトを選んで、3000ユーロを贈り、製作を支援するもので、今年は6作品の中からこの作品が選ばれた。
スペシャル・メンション:“Tales from Gigerland”監督:Tomas Hubacek (チェコ)

観客賞:“Mary and Max” 監督:アダム・エリオット Adam Elliot (オーストラリア)

公式サイト: http://www.animafest.hr/hr

山村

        2009-06-08        アヌシーインターナルアニメーションフェスティバル09(0)

ただいまアヌシー湖畔のホテルにいます。
明日からフェスティバルがはじまります。
インターナショナルではなくインターナルと題して内的なフェスティバル体験でも記そうと思ったのですが、
空港でスーツケースが出てこなかったのでノートパソコンの充電ができません。
だから無理かもしれません。

土居

        2009-06-06        6月の上映イベントなど&雑記

そろそろアヌシーです。明後日には旅立ちます。飛行機が怖いので緊張します。

あいかわらずブログの更新がまばらですが、6月の上映イベントを。
今月は地味にロシア月間ですよ。

6/6(土)~7/3(金)
ロシア革命アニメーション1924-1979」@UPLINK X
今月の目玉はこれでしょうね……サンプルいただきましたが、おすすめです。
トークイベントのゲストもかなり豪華。Animations的には6/27(土)の山村浩二vs大山慶が注目でしょうか。僕は東京にいないので行けませんが……

6/23(火)~7/11(土)
特集 ロシア・ソビエト映画史縦断 1908-1939」@アテネフランセ文化センター
6/23の19:00-でスタレヴィチの『カメラマンの復讐』が、7/10の16:50-でツェハノフスキー『バザール』がやります。特に『バザール』の回は併映がグリゴーリー・アレクサンドロフ『サーカス』なので必見です。なぜかといえば、『サーカス』はディズニーの影響下で制作された映画だからです。見ればわかります。そのつながりでいけば、7/11の『アレクサンドル・ネフスキー』も必見でしょうね。というか、アニメーションの運動性に惹かれる人はエイゼンシュテインはやっぱり全部観た方がいいと思います。

6/20(土)~6/26(金)
横浜フランスアニメーション映画祭2009」@シネマ ジャック&ベティ
今年もやるみたいです。上映作品リストがきちんと出ていないのでコメントのしようがないですけれども……

あと、6/27、28にロシアアニメーションフェスティバル2009ってのがあるんですけど、もう応募の締切がすぎちゃってました。すいません。

ついでいうと、6/28、アニメーション学会全国大会でノルシュテインの『草上の雪』について発表します。時間は僕も知りません。分かったらまた連絡します。関西方面の方はどうぞ。学生さんなら無料で入れます。一般の方は5000円します。すいません。

ところで、今日は爆音映画祭に行ってきました。アニメーションではないものの、このブログでも何度か取り上げている牧野貴さんの新作(ジム・オルークのライブ演奏付)上映があったからです。開場30分前に行ったらもうすでに満席でキャンセル待ち券を渡されてへこんだのですが、床に座布団敷きで座るというかたちで入らせてもらいました。ジム・オルーク付きとはいえ、実験映画でこれだけ人が入るなんてすごいなあ……
余談ですが四月から玉川大学でアニメーション研究という授業をやらせてもらっていて、楽しくそしてしんどい日々を送っているところなのですが(他にも理由はあります。7月と9月に……早く言いたい!)、先日久里洋二さんの作品を上映して、学生に非常に反応が良かったのですが、やはり作品の確かな質を支えている一つの軸となっているのは、一流の音楽家が担当する音楽の良さ(というか久里さん自身の音楽センスの良さ)ですよね。
何が言いたいかっていうと、近頃の短篇アニメーションはそういうクロスボーダー的なコラボがあんまりないですよね。お客さんが呼べるからやればいいじゃん、なんて意味ではないですけど、せっかく今の日本にも(ジムさんみたいな外国の方も含め)優れた音楽家の方々がたくさんいるのだから、内輪ですませたりしないでもうちょっといろいろコラボとかしてみればいいのになあ、とか(制作の)部外者としては思ったりもします。(そう思っている人は僕以外にも結構多いんじゃないでしょうか。)

せっかくなので牧野さんの作品についても少し書かせてください。
今日の上映作品は、写真美術館でも上映展示されていた『still in cosmos』と新作長編『The World』。『still in cosmos』の方は、大画面、真っ暗(非常灯は付いてる)、そして爆音ということもあり、写真美術館で見たよりも断然素晴らしかったです。鑑賞ではなく「体験」でした。興奮しました。
写真美術館で見たときの説明に書いてあったのは、カオスとコスモスの二項対立。牧野さんの作品のひとつのテーマとして「ノイズ」というものがありますが、(簡単に言わせてもらうと)「フレームの外」にある本来ならば知覚されてはいけないものです。カオスはそのノイズ方面に突っ走り、秩序(コスモス)が壊された状態です。植物などの日常的なモチーフを重ねて加工していくことでノイズの画面を作り出す牧野氏の映像自体、カオスへの志向性に滾っています。しかし、タイトルは『still in cosmos』。カオスに突入しても、人間はそこに秩序(コスモス)を捉えてしまう。牧野氏の作品のノイズ映像は実際には観客それぞれにおいて、それぞれのコスモスを結ばせますが、タイトルはそんな牧野作品ありかたを示しているかのよう。
でも、これはおそらく、秩序のなかに留まらざるをえないというペシミスティックな態度から出るものではないんですよね。コスモスからカオスへと飛び出して自らを解体していくための勇敢な力を与えてくれるような勇敢さのことなんじゃないかと僕は思います。木々草々と海宇宙が同じ画面に共存してしまう牧野作品は、人に潜む際限ない可能性を引き出してくれる気がします。まさにクロスボーダーなあり方。アニメーションとは関係ないかもしれませんが、人間には関係のあることなので長々と書かせてもらいました。秋には完全版をまたバウスで爆音上映するらしいです。是非。

ああ、短篇アニメーションも爆音映画祭の仲間に入れてくれないものでしょうか。
某所で『カフカ 田舎医者』をものすごく良い音響で爆音で観たことがあるのですが、
すごかったんですよ、ほんとに。
関係者の方、他にも爆音向けの良いネタありますよ!!!!

それではフランスまでクロスボーダーしてきます。
向こうでネットにつながれば(そして元気があれば)速報します。

土居

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